からだ

[専門医に聞く子宮内膜増殖症]人生を左右する出血、早めのコントロールという手も。

  • 撮影・森山祐子 イラストレーション・小迎裕美子、川野郁代 文・越川典子、青山貴子

人生を充実させるための早めの治療、という発想です。

未症候を治療するT2Tアプローチ。未症候のグレーゾーンを治療ターゲットとする考え方で、2013年から糖尿病、高血圧、脂質異常症、リウマチ、骨粗鬆症に応用されている。資料提供:太田郁子

世界的に、医療マネージメントやアプローチも変わってきている。病気の進行→確定診断→治療では、個人でも国でも医療費がかさむ。
確定診断前の治療をT2T、トリート・トゥ・ターゲットアプローチといって、骨粗鬆症、リウマチ、糖尿病、脂質異常症、子宮内膜症などの分野ですでにスタートしています」
骨粗鬆症の場合、大腿骨頸部骨折をして入院すると200万円。リハビリや介護を含めると300万〜400万円。骨密度維持を目的に閉経直後にホルモン補充療法(HRT)に取り組んだ場合、年間6万円弱。HRTをせずに骨密度が下がった65歳の時点で骨吸収抑制薬を使うと、医療費はかかるが、それでも骨折より負担額は少ない。

「より充実した日々を送るため、健康や仕事、趣味や生きがいなど、トータルで自分の人生を捉える視点を、ぜひ持ってもらいたいと思います」

太田郁子(おおた・いくこ)●倉敷平成病院 総合美容センター 婦人科部長。日本大学大学院生理系発生生殖学修了。日本産科婦人科学会専門医。医学博士。内膜症や子宮腺筋症の治療法について、海外で発表することも多い。

『クロワッサン』978号より

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