「無排卵により、黄体ホルモンが分泌されないことが問題なんです。黄体ホルモンは子宮の内膜を薄くしたり出血を減らしたりして、がんから子宮を守る成分です。子宮体がんや乳がんはエストロゲン依存性の疾患ですから、黄体ホルモンに制御されずエストロゲンのみの状態が続くときに、悪性疾患に移行するリスクが高まるわけですね」
子宮体がんはタイプ1と2があることは、「不正出血したら、すぐ受診。子宮体がんは治りやすいがんです。」のページでも伝えたが、
「タイプ2は偶発的ですが、多いタイプ1はエストロゲン依存疾患。ですから、無排卵周期症の人に現れる。子宮内膜増殖症は、前がん病変、グレーゾーンとして扱います」
グレーゾーンには4つの分類があって、単純型で異形成がない、単純型で異形成がある、複雑型で異形成がない、複雑型で異形成がある。4つ目は、ほぼ、がんとして扱い、子宮全摘手術となる。
「不正出血して初めて子宮体がんを疑うより、子宮内膜増殖症が現れた時点で黄体ホルモンを足せば、早い段階でがんのリスクを減らすことができます。それが新しい流れになっているんです」