【夏疲れリカバリー】今からできるリカバリーの基本
イラストレーション・ながしまひろみ 文・小沢緑子
疲労の回復には睡眠第一
「すでにつらく感じている疲労を回復させる方法が『睡眠』です」
なぜなら疲労が起こる原因は、日中に活動している間に体内に発生する活性酸素だから。
「自律神経細胞の活動が活発化し酸素消費量が増えると活性酸素が発生しやすくなります。自律神経は、脳を守るための司令塔。暑い時季は脳がオーバーヒートしないよう体温調節などを行う自律神経細胞への負荷が高まり、活性酸素が増える。その結果、自律神経中枢は最も酸化ストレスに晒されるのです。たまった錆びを取り除くには、体のメカニズム的にも睡眠が一番の解決策になります」
睡眠はしっかり6時間は確保。
「量だけでなく、睡眠の質も大切。特に疲労回復の決め手となるのは眠り始めの3時間です」
良質な睡眠がとれれば新陳代謝を促す成長ホルモンが分泌され、脳を含め全身の細胞の修復も進む。
疲れた脳を休ませる
「快適な環境を維持することは、体温調節への負荷を軽減し、自律神経をいたわる最良の方法です」
まず「室温」に気をつけよう。
「脳にとって快適な温度は暑すぎず寒すぎない22〜24℃。まだ気温が高い日もある今の時季、電気代がもったいないと言わず、暑ければ一日中冷房をかけて快適な温度に保つことです」
就寝前の過ごし方は睡眠の質を高めるためにも大切。
「脳は緊張すると眠れなくなるので、リラックスできる音楽をかける、結末を知っている漫画や本を読むなど、脳を興奮させずにくつろぐ工夫を。鼻呼吸もおすすめ。鼻腔は自律神経の司令塔・脳の視床下部の近くに位置するので、日中の活動で熱を抱えた脳をクールダウンさせます」
鼻呼吸は、息を鼻からゆっくり吸い、しばらく止めてさらにゆっくり口から吐き切る、を繰り返す。
室内でもこまめに血流をアップ
もうひとつ、疲労回復の要となるのが「血流を上げる」こと。
「血流も自律神経がコントロールしています。特に女性は筋肉量が少なく、夏も冷えを自覚している人は多いので『こまめに血流を上げる』方法をおすすめします」
簡単なのが、歩くこと。
「たとえば一気に3㎞ウォーキングするより、屋内でトイレにこまめに立つ、ちょこちょこと家事をするなどして歩いたほうが、その都度血流も上がり疲れがたまりにくい。長時間座りっぱなしのときは貧乏ゆすりをするとウォーキングと同様に、血流を改善するという研究報告があります」
入浴は温浴効果があるが、熱めの湯に全身浸かるとますますのぼせて、体温調節を担う自律神経がフル稼働してしまう点は注意。
「疲れているときはぬるめの湯にみぞおちまで浸かるか、シャワーだけサッと浴びる程度でも」
食や日差し対策ももちろん必須
食で自律神経の疲弊を回復させるには、まず食べ方を見直し。
「内臓の働きを司るのも自律神経。空腹だと交感神経が高ぶり、満腹だと胃腸の負担に。一日3食を常に腹八分目で、ゆっくり噛みながら食べるのが基本です」
食材でおすすめなのは鶏胸肉。
「抗疲労成分のイミダペプチドがずば抜けて豊富。自律神経の司令塔・脳にも届く抗酸化作用があることが確認されています」
腸内が整うと睡眠の質も上がるというが、
「一般には良いとされる乳酸菌や食物繊維も、人によっては下痢を起こすことがある。あくまでも自分のお腹と相談すること」
そのほか、必要以上に浴びると活性酸素を発生させる紫外線への対策は、秋以降もぬかりなく。
「日傘は外側は白っぽいもの、内側は黒のタイプだと、紫外線と熱を効率よく防げます」
『クロワッサン』1173号より
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