【夏場の食習慣 ○と×】喉越しのいい麺類、酸味のあるもの、1食抜く、寝酒──見直さないと疲れが加速する
イラストレーション・いいあい 文・小沢緑子
昔の夏バテは暑さによる疲れがほとんどだったけれど、今は原因が多様化し、「『冷房による冷え』『室内外の温度差』が最大の引き金に。さらに『順応力が低下』する加齢現象もあり、年々夏がつらくなる。疲れは引きずると夏以降の体調不良につながることもありますし、その都度解消を」と、医師の福田千晶さん。
環境的にも年齢的にも厳しさを増す夏は、早めに対策を打つのが肝心。
「夏バテ防止ではまず脱水を防ぐことが重要。また疲れから風邪に発展しないよう、体の免疫を保つために食では5大栄養素をバランスよく摂ることが大切です」と、管理栄養士の藤橋ひとみさん。
水分と栄養不足を防ぐため、夏によくある食習慣を順にチェックしていこう。
【×】 夏は冷たくて喉越しのいいものでも、食べないよりはマシ
(条件つき)
食べやすいのはいいことだが、栄養の偏りや体の冷えが心配
「麺類など喉越しのいいものは食べやすいですが、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがち。卵、納豆、肉、野菜なども足せば、夏バテ対策としての質が上がります」(藤橋さん)
また、冷たいものばかりだと胃腸が冷えやすいのも問題。
「1食のバランスはよくても、夏は冷麺にサラダ、冷奴、お刺身などすべて冷たいもので揃えがち。1品は湯気が立つ温かいものに替えれば、胃腸の冷えを予防できます」(福田さん)
【○】 疲れたときは、酸味のあるものを食べる
酸味は積極的に。唾液の分泌が促されて食べやすくなる利点が
酸っぱいものを食べると疲れがとれるように感じるのは、酸味=夏バテに直接効く作用があるわけではなく、「酸味が唾液の分泌を促し、食欲がないときでも食べやすくする利点があるからです。結果として酸味があるものは栄養不足を防ぐ助けになるので、積極的に摂ってほしいものです」(藤橋さん)。
取り入れやすいのは、「梅干し、酢の物、レモン、トマト、柑橘など。主菜や麺類にも合わせられて簡単」(藤橋さん)。
【○】 どうしても食べたくないときは、ムリせず1食抜く
水分を補っていれば胃を休めるのにはいい
「疲れて食欲がないときは、糖尿病など血糖値に問題がなければ、水分さえ補給すれば食事を抜いても体はダウンしないようにできています。『食べなくちゃ』と自分にストレスをかけないことが肝要」(福田さん)
1食抜いて胃を休めたら、「味噌汁でも缶スープでも、食べられるものから少しずつゆっくりと。具はよく噛んで食べると唾液が正常に分泌され、食欲が自然に湧くよう次第に体が整っていきます」(福田さん)。
【×】 寝苦しい夜は寝酒を一杯
体が脱水気味に、睡眠の質が下がるなどデメリットが多い
寝苦しい夜に寝酒は逆効果。
「アルコールには利尿作用があり、飲んだ分かそれ以上の量の水分が体から出ていってしまいます。それでなくても夏は体内の水分が不足しやすく、ますます脱水が進みます」(福田さん)
さらにアルコールは体内で分解される過程で覚醒作用のある物質に変わる点もデメリット。
「そのため夜中に目が覚めて睡眠が中断されてしまう。眠りの質が下がりやすくなるので寝酒は避けましょう」(福田さん)
【×】 トイレが近いので、夜寝る前に水分は摂らない
熱帯夜も多くリスキー。完全に控えず少量ずつ摂取
更年期以降、気になる悩みのひとつにトイレの近さがあるが、「熱帯夜も多い夏は夜も熱中症のリスクはあります。水分は控えず通常どおり摂ってください」(福田さん)。
上手な水分の摂り方としては、「寝る直前の大量摂取は避け、入浴後から就寝前にかけて少量の水分を分けて補うのが理想。もしくは枕元に水筒などを置いておき、途中目が覚めたらひと口飲んで水分補給をする方法もあります」(藤橋さん)。
『クロワッサン』1170号より
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