暮らしに役立つ、知恵がある。

 

「どっちもあり」のポーズで、新しい何かを生み出す【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】

大所高所からモノゴトを見ようとしても、アタマで考えていては限界が。すべてに両面があることをカラダで知ることは助けになってくれます。

撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子

〈どっちもあり〉“AでもなくBでもなく、Cという成果へ到達したいなら。”

法律関連の決定事項に付記があるように、ほとんどの決まりには「幅」があります。たとえば自転車。車両だから当然、車道を走らなければならないけれど、ある条件下では歩道も走れますね。クリアに線引きするのは難しくて、自分が「これは間違っている」と思った事象も、異なる立場から見れば「それもありだよね」となることも。

コトの大小にかかわらず、対立することは日常茶飯事ですが、そんなとき、どんな反応をしていますか。勝ち負け? 分断? 主張や価値観にこだわることで、不幸な結果が生まれるなんて、もったいないと思いませんか。

妥協したり、落としどころを見つけたりは、消極的な方法。そうではなく、意見を交わし、スキルを磨き合うことで、予想していなかった新しい何かを生み出すこともできます。

それが、シナジー(相乗効果)です。複数の考え方が合わさることで、AでもなくBでもなく、Cという新たな成果を得る。つまり、1+1が2ではなく、3にも4にもなってくれるのです。

ゴールはよりよい成果――この考え方は、ふだんの暮らしの中でも役に立ちます。そのベースにあるのは「どっちもあり」という感覚です。背中で両手を合わせて、表も裏もあり、な感覚を日々、味わっておきたいですね。

リバースナマステ
リバースナマステ

リバースナマステ

挨拶という意味のナマステ。両手を胸の前で合わせる合掌のポーズをとりますが、これは背中でする合掌です。肩甲骨が動き、胸も開きます。深い呼吸をして8秒。1日1回(できれば前の合掌もしましょう)。

  • 高尾美穂

    高尾美穂 さん (たかお・みほ)

    産婦人科医

    イーク表参道副院長、婦人科スポーツドクターとして、働く女性をサポート。最新刊に『更年期そしてなりたい自分に近づく方法』『教えて美穂先生! 50歳からのこころとからだ』がある。

『クロワッサン』1124号より

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