からだ

「押し返す」ポーズで、折れない反発力を養う【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】

人間関係や出来事に押しつぶされそうなときって、誰にもありますよね。
折れてしまわないためにも、しなやかな反発力を養いたいものです。
  • 撮影・森山祐子 構成&文・越川典子

〈押し返す〉“押される力と押し返す力と、両方あってこそ均衡が存在します。”

最近注目されている言葉に、レジリエンスがあります。もともとは物理学用語で、外力からの歪みを跳ね返す力のことだそうです。心理学などの分野では、回復する力とか、復元する力、適応力、弾力性などを意味します。

なぜ、そういった力が必要なのでしょう。常識の圧、人間関係の圧……暮らしの中では日々いろいろな圧力を感じること、ありますよね。実は、それらに対抗することは、生きる上でとても大事なことなんです。

会社や地域のコミュニティを想像してみてください。エネルギーが一方通行の場には、新しい何かが生まれることは少ないと思いませんか。押し合い圧し合いしながら均衡が生まれ、自由なアイディアや発想が湧いてくるのではないでしょうか。

ランジツイストは、そんな均衡を体感できるポーズです。不安定な体勢ですが、両手のひらを押し合わせることでカラダの中心を支えています。

そのバランスは、料理で言うところのいい塩梅かしら。よい具合のところを探して、共存する。でなくちゃ、世界は一色になってしまいます。あらゆる立場、多様な人たちが共存する世界でなければ……。

しなやかに、折れずに、押し返すことを怖れずに。皆さんも、そんな力をたくわえてほしいと思っています。

ランジツイスト

ランジツイスト

足を前後に開き、前の足に重心をかけて腰を落とします。両手のひらを合わせて上体を前傾し、反対側のひじをひざ外に置いてバランスをとります。深い呼吸で8秒。足を入れ替えて行う。1日1回。

高尾美穂

高尾美穂 さん (たかお・みほ)

産婦人科医

イーク表参道副院長。婦人科スポーツドクター、産業医として、働く女性をサポート。『オトナ女子をラクにする心とからだの本』『人生たいていのことはどうにかなる』など著書多数。

『クロワッサン』1088号より

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