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治らない足のむくみは下肢静脈瘤を疑おう。

はっきりとした病気とは思えないのに、この疲れとだるさは何? 
明治国際医療大学教授の伊藤和憲さんに聞きました。
  • イラストレーション・小林マキ 構成&文・堀越和幸

【症状と原因】
下肢静脈瘤。漢字が並ぶいかにもいかめしい面構えのこの不調、いったいどんな症状なのか?

「下半身の静脈の血管には足首から心臓に向かう血液が逆流しないようにする静脈弁というものがあるのですが、その機能が弱ったり壊れてしまって、足首に血液が逆流してしまう状態です」

行き場を失った血液によって血管は瘤状になり、ぼこぼこと皮膚に浮き上がってくる。

「自覚症状としては、そうした見た目だけでなく、足のむくみを訴える人が多いです。それ以外にも夕方になると足がだるい、寝ている時に脚がよくつる、という人もいます」

症状が重篤な時は医師に頼るしかないが、軽度の場合は簡単な体操で改善されることも少なくない。

【対策】
筋肉にはスポンジのように含んだ血液をギュッと絞って外に押し戻す“筋ポンプ作用”がある。

「ずっと立ち仕事を続けているとこの筋ポンプ作用が働かなくなるので、こまめに足を動かすことが大切です」

脚の血流を良くすることが、下肢静脈瘤の何よりの予防、改善となる。

「脚マッサージもいいですし、仰向けになって両手両足をぶらぶら震わせる体操も習慣にするといいと思います」

マッサージは、足首→膝、太腿→脚の付け根を手のひらでさする。1回2分が目安。仰向けでするぶらぶら体操は30秒を目安に。
伊藤和憲

伊藤和憲 さん (いとう・かずのり)

明治国際医療大学鍼灸学部学部長・教授

明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科大学院研究科長・教授。著書に『はじめてのトリガーポイント鍼治療』『トリガーポイントマップ』など。

『クロワッサン』1099号より

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