「40代、50代は普段から健康に気を遣っている世代。とはいえ、夏の気候は年々気温や湿度が上がってより過酷に。誰もが脱水症状を起こしかねない危険な環境になっています」と小林メディカルクリニック東京 院長の小林暁子さん。
さらに、外の暑さと冷房が利いた室内の寒暖差も、体には厳しい条件。
「温度差が激しくなると、体の各所で体温を一定に保つために働く自律神経のバランスが崩れ、腸の働きも影響を受けます。腸内環境が悪くなれば、腸内にたまった便から有害物質が発生し、血液を通して全身に運ばれ、便秘をはじめ、さまざまな不調が起こるスイッチが入りやすくなります」
夏の高温多湿の気候はやはり体への負担になりやすい、と東京女子医科大学附属東洋医学研究所の漢方専門医の森永明倫さんも言う。
「東洋医学では、特に胃腸の働きを体の『気(エネルギー)』を作り出すものとして重視しています。ところが夏は暑さから冷たいものを摂りすぎたり、冷房で体の芯まで冷えてしまったり、胃腸の働きが低下しやすい条件が揃ってしまう。胃もたれ、食欲不振、消化不良などが起きて食事から充分な気が得られなくなれば、体調不良が起こる引き金になりやすいです」