からだ

皮膚科医に聞く、美肌のための朝食ルール。

手を抜きがちな朝食こそ、少しの心がけと工夫次第で、美肌を叶える強い味方に。食べ方のルールを紹介します。
  • 撮影・青木和義 構成&文・山本有紀 撮影協力・UTUWA TEL.03・6447・0070

パンやシリアルにコーヒーだけ。そんなありがちな糖質過多、たんぱく質不足の朝食が、肌を老化させることをご存じだろうか。

「40代以降に顕著になってくる見た目の差は、糖化の差、食事やインナーケアの差と言えると思います」と皮膚科医の小林智子さん。

糖化とは、過剰に摂取し、消費されずに余った糖が、体内のたんぱく質と結びついてAGEsという質の低いたんぱく質を生成すること。AGEsは肌に黄ぐすみを引き起こし、さらに肌の真皮に蓄積するとハリや弾力を失わせる。

「糖化のリスクを防ぐには、血糖値の急上昇を抑えること。糖質をゼロにする必要はありません。具体的には、GI値(血糖値の上がりやすさの指標)の低い炭水化物を選ぶ。野菜を先に食べ、レモン汁など抗糖化食材を摂る。そして朝食を食べること自体、一日の血糖値を安定させることに繋がります」

また、炭水化物に偏りがちな朝食こそ、肌や髪の材料であるたんぱく質を摂ることも意識したい。

「40、50代の女性の多くはたんぱく質不足ですから、毎食コツコツ取り入れてください。私自身、たんぱく質の量を増やしたらひどい乾燥肌が改善した経験があります」

糖化対策とたんぱく質強化をした上で、足りない栄養素を補うのが肌悩みを解決する近道に。中でも、大人の肌には活性酸素の働きを抑える抗酸化成分が必須だ。

「どれも意識づけできれば簡単なこと。朝食なら習慣化もしやすいし、必ず見た目に表れますよ」

〈 美肌のための朝食ルール 〉

1.糖化を防ぐ。

「GI値が低いのは、玄米やライ麦パンなど精製されていない炭水化物。オートミールは栄養価も高くおすすめ」(小林さん)

さらに、食物繊維が豊富な野菜を先に食べれば糖の吸収が緩やかに。レモン汁やビネガーのほか、パプリカパウダーやシナモンなどのスパイスにも糖化を抑制する作用がある。

野菜、きのこ類、オートミール、ビネガー、レモン汁

2.たんぱく質を必ず摂る。

美容面はもちろん、不足すると骨粗鬆症や筋力低下など、健康にも悪影響なので要注意。

「成人女性なら一食25グラムくらいのたんぱく質量を目標にしたいですが、これは卵なら約3.5個分にもなります。時には市販のプロテインも活用して」

そのほか、調理いらずのスモークサーモンや納豆は朝食に便利。

納豆、スモークサーモン、卵

3.抗酸化成分を取り入れる。

紫外線や喫煙、精神的ストレスなど、日々の酸化ストレスが肌を老化させシミなどの原因に。

「それを防いでくれるのが、ビタミンA、C、E(エース)です。朝に摂れば日中のダメージを軽減する効果が期待できます」

Aはにんじんやほうれん草、Cはベリー類、Eはアーモンドなどに多く含まれる。

ベリー類、にんじん、ほうれん草、アーモンド、アーモンドミルク
小林智子

小林智子 さん (こばやし・ともこ)

皮膚科医

日本医科大学卒業後、名古屋大学大学院、ノースウェスタン大学で研究に従事。著書に『すっぴん肌が好きになる 肌トラブル大全』(WAVE出版)。

『クロワッサン』1064号より

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