食べる風邪薬、春菊とひじきのサラダ【井澤由美子さんの薬膳レシピ】
撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子
【春菊】食べる風邪薬と呼ばれる野菜。 自律神経も整う。
肝を養う食材、春菊。特有の香りには、自律神経にアプローチしストレスを緩和して胃腸の働きを整える作用がある。食べる風邪薬と呼ばれるほど薬効が高く、古くから漢方薬の原料としても使われてきた。
腎に効く黒い食材、ひじきと合わせて、肝腎の整うサラダに。
油と一緒にいただくことでカロテンの吸収率もアップして、美肌効果ものぞめる。
春菊とひじきのサラダ
【材料】
春菊 1袋
生ひじき 50g
ドレッシング[オリーブオイル 大さじ1、塩 3つまみ、胡椒 少々、酢 小さじ2、本みりん 大さじ1]
好みの柑橘(かぼす、ゆず、レモンなど)適量
【作り方】
1.春菊は葉と茎に分け、葉は冷水に放っておく。
2.茎とひじきをフライパンにしき、ドレッシングを回しかけてさっと強火で1分ほど蒸し焼きにする。
3.ボウルに水気を切った春菊の葉と2を入れ、柑橘の果汁を搾って全体をさっくり混ぜる。
薬膳の知恵を、美味しく食べる。
中医学の考えでは、食物には体を冷やすものと温めるものがある。今の季節に摂りたいのは温性・熱性の食材だ。
「そして特に女性には、巡りのよい体のために『肝腎かなめ』を心がけてほしいなと思います。五臓のうちの肝と腎をケアする必要があるということ」
と、料理家で国際中医薬膳師、国際中医師の井澤由美子さん。
「肝は体の巡りを司ります。肝を養うと血流がスムーズになる。逆に弱ると自律神経に不調が出て、イライラや不安などの原因に。肝によい食べ物はニラ、春菊、ターメリック、人参、あさり、今ならゆずもいいですね」
そして腎は、体を温めるヒーターの役割をする。ここが弱ると老化が早まり、腰痛や白髪を引き起こす。
「腎をいたわるのは黒い食べ物。黒ごまや海藻類を積極的に摂りましょう」
『クロワッサン』1059号より
広告