体の芯からホカホカ、干し生姜入り酒粕ココア【井澤由美子さんの薬膳レシピ】
寒い季節には体を温める食材を。巡りをよくするには、それを担う内臓を養うものを。漢方の考えを借りて、毎日美味しく元気になろう。
撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子
【ココア】疲労回復、抗酸化作用も。 生姜&酒粕を加え効果3倍。
体を温めて元気を補い、虚弱を改善するココア。抗酸化作用も高く、漢方の食養生の観点から見てもとても優秀な食材。さらに温め効果のある酒粕と干し生姜を加えれば、体の芯からホカホカになる、冬にぴったりのドリンクに。
「使用するココアは、できれば砂糖や香料などを含まないピュアなココアパウダーにしてください」(井澤さん)
干し生姜入り酒粕ココア
【材料】
ココア(無糖) 大さじ1
酒粕 大さじ1〜2
黒糖・干し生姜 各適量
【作り方】
1.ココアと酒粕を混ぜる。沸騰した湯を少量加えてツヤが出るまで練る。
2.湯を加えてのばし、黒糖で好みの甘さにする。干し生姜を浮かべる。
薬膳の知恵を、美味しく食べる。
中医学の考えでは、食物には体を冷やすものと温めるものがある。今の季節に摂りたいのは温性・熱性の食材だ。
「そして特に女性には、巡りのよい体のために『肝腎かなめ』を心がけてほしいなと思います。五臓のうちの肝と腎をケアする必要があるということ」
と、料理家で国際中医薬膳師、国際中医師の井澤由美子さん。
「肝は体の巡りを司ります。肝を養うと血流がスムーズになる。逆に弱ると自律神経に不調が出て、イライラや不安などの原因に。肝によい食べ物はニラ、春菊、ターメリック、人参、あさり、今ならゆずもいいですね」
そして腎は、体を温めるヒーターの役割をする。ここが弱ると老化が早まり、腰痛や白髪を引き起こす。
「腎をいたわるのは黒い食べ物。黒ごまや海藻類を積極的に摂りましょう」
『クロワッサン』1059号より