「潤いを与える」というと、「化粧水をたっぷりつけておけばいい」と思う人は少なくない。
「でも、単に水分を与えても、すぐ蒸発してしまいます。本当の保湿とは、水分と油分をバランスよく与えること」と岡部美代治さん。つまり真に肌を潤わせるには、水分を補う化粧水だけでなく、クリーム、乳液、美容オイルなどの、油分を補うケアも必須だという。
肌の最上層にある角層は、ほこり、花粉、細菌といった異物から肌を守るとともに、肌の内側の潤いを蒸発させずに守る、バリアの役割を果たしている。
「ところが年齢を重ねるにつれて、バリア機能は弱まって、肌は潤いを保ちづらくなってきます」
そこで必要なのが油分。
「油分をチャージすれば、肌の上で蓋になって中からの水分蒸発が抑えられるうえ、時間が経つにつれて油分が角層に浸透。バリア機能が強化されて、潤いキープ力がアップします。また、バリア機能が高まれば、炎症が起こりにくく、細胞の代謝もスムーズになって、老化ダメージも少なくなるのです」 さらに油分にはツヤを与える、しなやかにするといった働きも。
「油分を正しく理解して、正しく補うことで、エイジングは抑えられます。年齢を重ねるほど、〝油断〟は禁物と思ってください」