工藤 甘いものを欲するのは幸せホルモンのセロトニン不足。糖質はセロトニンを増やしますが、それ以外の方法でも、朝、太陽の光を浴びたり、ウォーキングやダンスのような一定のリズムを繰り返す運動でも分泌が促進します。
花井 もっと手軽にできるリズム運動はありませんか?
工藤 一番簡単なのはガムを噛むことです。だいたい20分ぐらいガムを噛み続けると、セロトニンが出て、甘いものへの欲求が満たされます。
花井 セロトニンが不足すると、やっぱり太りやすいのですか?
工藤 要は、心が幸福感で満たされていないと、食欲に走ってしまい太るんです。セロトニンをはじめ、オキシトシン、ドーパミンなど、幸せ系のホルモンを増やす生活を心がけることも大切ですね。
吉村 先ほど、空腹感が大事ということでしたが、私は空腹で目が覚めるし、昼も12時になるとお腹が空くし、ゆっくり食べているので、量もさほど食べていないのですが。
工藤 吉村さんの問題点は睡眠時間が短いことです。朝5時起床はおふたりとも同じですが、花井さんは理想的な7時間睡眠、吉村さんは4時間睡眠です。睡眠時間が7〜9時間の人に比べて5時間で52%、4時間以下では73%も肥満になりやすいという研究報告があるんですよ。
吉村 週2日ぐらいはリモートワークなので、翌日が在宅勤務だとつい夜中にお酒を飲みながら映画を観たり、いろいろつまんでしまったり。
工藤 睡眠時間が短いと満腹ホルモンのレプチンが低下して、空腹ホルモンのグレリンが増加するため、ドカ食いをしやすく、甘いものや高カロリーのものを食べたくなるんです。
吉村 睡眠不足はダイエットの大敵なんですね。私の場合、睡眠時間を増やせば痩せられますか?
工藤 緩やかに痩せていきます。吉村さんは起きたらカーテンを開け、朝日を浴びてセロトニンを分泌させる。さらに牛乳をコップ1杯飲んでください。牛乳にはトリプトファンが含まれていて、体内でセロトニンに変換し、その後は睡眠ホルモンのメラトニンに変わっていくんです。
吉村 でも安眠には、寝る前にホットミルクを飲むといいと聞きますが。
工藤 メラトニンが分泌されるのは起きてから14〜16時間後。朝に牛乳を飲めば、夜に眠くなる態勢が整うんです。
吉村 私は家事が一段落した23時から2時間近く、SNSや映画を観るのが楽しみで……。
工藤 スマホやテレビのブルーライトを浴びるとメラトニンが減ってますます寝られなくなります。睡眠時間が4時間で眠くなりませんか?
吉村 会社ではお昼休みにデスクで15分ほど仮眠しています。
工藤 昼寝をやめてその分、早く寝たほうがいいですね。布団で仰向けになって腹式呼吸に集中すると、いつのまにか眠っていると思いますよ。