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胃もたれやストレス疲れに。ジャスミンティーで作る、かんたん漢方茶。

  • 撮影・岩本慶三 スタイリング・中林のり子

分量も濃さも自分の好みで。日々、飲み続けることが大切です。

中国には薬食同源――薬も食べ物も源は同じ。日々の食事で心身を整え病気を防ぐ――という言葉がある。

「中国の人々は、寒い季節には体を温める作用があるお茶を飲み、熱があるときは体を冷やす作用があるお茶を飲むなど、昔から体調の変化に合わせて飲むお茶を替えてきました」

薬茶同源。お茶も薬に近いものとして飲める。

漢方茶の専門店の店主、山崎薫さんは、お茶も食べ物と同じように薬に近いものだという。

「東洋医学では、食べ物の性質を、その食材が体を冷やすのか、温めるのかによって、寒涼平温熱の5段階に分けています。これを五性といいます」

主なお茶を五性にしたがって分類し、その特徴を紹介すると。

 緑茶…涼性。体を冷ます。
 ジャスミン茶…涼性。香りが気をめぐらせる。
 ほうじ茶…平性。体を潤わせる。
 紅茶…温性。体を温める。血行を促す。
 プーアール茶…温性。脂肪分解、デトックス。

「いまは、暑い季節でも冷房の効いた場所で過ごす人が多く、体質的に“冷え”に傾きやすいようです。ですから、現代の生活に合わせてお茶の飲み方を工夫すれば、体調を整えてくれる薬のように飲めると思います」

漢方食材の味や香りが、いつものお茶に変化をつけてくれるうえに、効能もアップ。マイボトルに入れれば外出先でも、かんたん漢方茶を楽しめる。

山崎さんが提案してくれた漢方茶は、いつも飲んでいるお茶に、体にいい食材を加えるだけの、かんたん漢方茶。生姜やクコの実、シナモンなど、漢方薬にも用いられているけれど、スーパーなどの食料品売場でも手に入れやすい食材だ。

煎じる必要もなく、茶葉と漢方食材を合わせたら、お湯を注ぐだけで大丈夫。

「薬食同源の考え方から、すべての食材はそれぞれ固有の性質を持ち、体にさまざまな働きかけをするとされています」

薬は病気になってから飲むものだが、頭痛やお腹の張りなど、ちょっとした不調があるときに、漢方食材を合わせたお茶がおすすめ。不調の改善や、悪化を防ぐ効果が期待できる。

「ここでは5つのお茶をベースに頭痛やコリ、冷え、疲れなどを解消する漢方食材との組み合わせを紹介します。茶葉の量も自分の好みの濃さで構いません。合わせる食材も好みの量で。その味や香りでリラックスできたり、体が軽くなったと感じたならば、それがあなたの適量です。組み合わせをいろいろと変えて、味や香りの違いを比べるのも楽しいと思います」

山崎さんが独自にブレンドした漢方茶。 左/やわらぎブレンド、右/いきいきブレンド。 カンポースタンド 東京都品川区荏原3-4-22 TEL.03-6426-4713
山崎 薫

お話を伺ったのは

山崎 薫 さん (やまざき・かおる)

カンポースタンド店主

自身の体調不良をきっかけに漢方に興味を持ち、漢方について学びながら都内の薬店に10年勤務。2019年、東京・武蔵小山に漢方茶専門店を開店。体調の悩みを聞き、漢方茶選びを手伝う。店内で飲むことも。

『Dr.クロワッサン 不調が消える、ふだん漢方』(2020年1月28日発行)より。

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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