facebook instagram twitter youtube
読む・聴く・観る・買う

『幸せ大国 タイ王国』青木由香さん|本を読んで、会いたくなって。

予定通りに行かないことこそ、旅の醍醐味。

あおき・ゆか●1972年、神奈川県生まれ。台湾在住。大学卒業後、タイを起点に旅を続け、台湾に辿り着く。台湾で出版した著書『奇怪ねー台湾』がベストセラーに。2013年に台湾観光貢献賞受賞。日本での著書に『最好的台湾』(講談社)ほか多数。

撮影・森山祐子

 雑誌などの台湾特集では、大抵どこかに青木由香さんの名前が入る。台北在住で、台湾ブームの立役者的な存在だ。でも最新刊はタイ王国について。一体なぜ?

「台湾については多くの人が本を出しているでしょ? 私、へそ曲がりなので(笑)、次は違う場所のことを紹介したら自分はどうなるんだろう、という興味が出てきちゃって。あと、タイの謎に満ちた魅力や、整理されていないぐるぐるした感じをもっともっと探りたい、と思ったんです」

そもそも、青木さんが旅の面白さに目覚めたのが、学生時代にバックパッカーとして訪れたタイだった。旅に目覚め、ガイドブックもあまり出ていない時代に、シリアやヨルダンにも足を運んだ。

「基本、性格がドMなので、旅先で困るのが好きなんです。でもいろんな国に行くうちに勘が働くようになって中東ですら全く困らなくなって。困ったことが起きてもドキドキしないのってつまらない。それで気分を変えるために台湾に行ったら気に入ってしまって、しばらく居着くことにしたんです」

台湾在住の間もタイを何度か訪れ、すっかり魅了されたという。

「台湾の人も実に親切なのですが、タイはそれに輪をかけて人の温かみがスゴイんです。子どもが1歳になる前に連れて旅行したときも、子どもへのケアの手厚さに感動しました。お店でも誰かがずっとだっこしててくれるから、大人は落ち着いて食事ができるんですよ! 素晴らしいですよね」

青木さんの旅は、独自の視点で捉える面白いもの、変なことに満ちている。スタンプラリー的に名所を巡る旅とは正反対の、自分だけの楽しみを見出す天才なのだ。

「例えば、タイ語がわからないのをいいことに、現地のネイルサロンで、スタッフ同士の会話を推測したり。勝手に“今夜、どこに遊びに行く?”とかアテレコして楽しんでいました。タイの人は基本、人がいいというのが根底にあるからこその、のんきな遊びです」

この本はタイの情報込みのエッセイなのだが、ガイドに縛られない旅を青木さんは勧めたいと言う。

「自分で本を作っておいてなんですが(笑)、経験値の高い大人こそ、もっと異文化を楽しむ余裕や度胸があるといいな、と思うんです。ガイドに頼らず、自分が純粋に興味があることをする・見る・楽しむ。その途中で道に迷うのも、旅という非日常ならではの面白さ。そんな、予定調和ではない旅の醍醐味を味わってほしいですね」

講談社 1,300円
文字サイズ