丁寧なメールほど「音声認識」を使ってスピードアップ。
文/写真・栃尾江美(クロワッサン倶楽部読者モデル)
毎日の雑事が少しでも楽になるように工夫するのは、道具を使う大きな意義。それは、デジタルでも同じです。もののような手触り、質感はないけれど、その分感覚に直接訴えかける部分もあると感じます。
携帯電話が登場したときのように、できなかったことができるようになる画期的な道具もあります。また、スケジュール帳のように、アナログの代わりも。さらに、なくてもいいけどあると便利だったり、あるだけでちょっと早くなるよね、というものもたくさん。
今回紹介するのは、「なくてもいいけど、使うと便利」な「音声認識」。スマートフォンなどに話しかけるだけで、文字に変換してくれる機能です。CMで大々的に流れていたこともあるので、知っている方も多いと思います。検索に使ってみて「便利!」と楽しんだ経験が一度はあるのではないでしょうか。だけど、継続的に使っている人は少ないようです。
登場した当初は、精度が思わしくありませんでした。そのため、入力したあとにかなりの確率で修正が必要だったのです。でも今は、ずいぶん精度が上がりました。
ビジネスメールの丁寧な言い回しにぴったり。
たとえば、決まり文句の「いつもお世話になっております」などは序の口。「大丈夫かと思いましたが念のためお送りさせていただきました」のような長文もほとんど間違いがありません。ビジネスメールでは、少し回りくどくてもていねいな言い回しをすることが多いもの。音声認識は「です、ます」がしっかりとした文章、口語的でない文章が得意なので、ぴったりなのです。
コツさえ掴んでしまえば、家事の合間にメールをするのもお手の物です。何といっても、よそ見をしながらメールが打てます。スマートフォンをじっくり見ながら、タイプをして変換を選んで…という操作はなかなか集中力がいりますし、よそ見もできません。ビジネスメールは前後の挨拶文などが必要で長くなりがちなので、分単位の細切れ時間ではタイプするのが大変なのです。
私はスマートフォンのタイプもかなり早いほうだと自負していますが、音声認識と比較すると倍くらいの違いがあります。タイプが苦手な方なら、もっともっとスピードアップするはずです。
「得手不得手」を知って使いこなそう。
音声認識を上手に活用するコツはいくつかあります。子どもに絵本を読んであげるように、ゆっくりと言う必要はありません。滑舌がしっかりしていれば、かなり早口でも大丈夫。最初の音は漏れてしまうことが多いので、第一声をはっきりと発音することが大切です。
タイプする場合には、書きながら文章を作っていくケースが多いと思いますが、音声認識の場合はまず文章全体を考えてから、句読点の前まで一気に話しましょう。句読点をキーボードで入力したら、また次のフレーズを話します。
ちなみに、苦手なものもあります。まずは知り合いの名前や、会社名などの固有名詞。こちらはタイプした方が早いです。逆に、「東京タワー」など、誰もが知っているような固有名詞は得意。それから、口語的なものも苦手。助詞が省かれていたり、擬態語、擬音語などが入ると難しいようです。
上手く使いこなせるようになると、「あとでゆっくり返事しよう…」と思っていたメールに、素早く返信でき、ストレスが軽減! 人目があるので外出先では控える必要がありますが、家の中で思う存分使ってみてください。デジタルに詳しいご家族がいても、音声認識の近頃の進化までは知らないのでは? 「そんなに早く入力できるの?」と驚かれるかもしれませんよ。
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