顔を上げ、背筋を伸ばして福を呼ぶ、 今日から始める開運ヨガ。
そんなときは軽めのヨガで心と体をリフレッシュ。
背筋が伸びれば運も上向きに動きだすはず。
撮影・青木和義 ヘア&メイク・遠藤芹菜 文・熊坂麻美
掃除や神社の参拝など開運アクションはいろいろあるけれど、一番簡単なのは運動かもしれない。自分の心と体の状態が開運に大きく関わると、ヨガ講師のサントーシマ香さんは話す。
「体と心は繋がっています。よく眠って体調がいいと心が安定して余裕が生まれ、仕事や人間関係も円滑になりやすいですよね。つまり、体を動かして心身を健やかにすることは運気の上昇にもつながると思います。運動不足と寒さで縮こまりがちな冬こそ、自宅でできるヨガはおすすめです」
ヨガは体の柔軟性や体力の向上を促すとともに、鼻からの腹式呼吸との相乗効果で自律神経のバランスを整え、心を穏やかにするのが特徴という。
「たとえば、胸や肩回りをほぐすことで背筋が伸びて目線が上がり、気持ちが前向きになります。そうした小さな改善がストレスを抱えやすい日々の支えになるはず。膝や腰に痛みがある人は無理をせず、ポーズを気持ちよく感じる範囲でトライを。ヨガで自分をケアして機嫌よく、“笑う門には福来る”の心持ちで幸運を呼び込みましょう」
[サンブレス]吉祥を取り込んで深い呼吸を促す。
サンブレスは文字どおり、太陽の呼吸。朝、太陽の光を浴びながら深呼吸を繰り返し、日の出が象徴する「吉祥」を取り込もう。
「ベランダや窓際など、日の光と外気を感じられる場所でできたらベストです。寝ている間に凝り固まった背中や胸まわりをほぐしながら行うことで、より呼吸が深まって頭が冴え、気持ちも前向きになっていきます」(サントーシマさん)
足を腰幅に開いて背筋を伸ばし、合掌してひと呼吸する。
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息を吸いながら腕を頭上に伸ばし、顔を上に向ける。両足を踏みしめ、全身を縦に引き伸ばすようにする。
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息をゆっくり吐きながら腕を横から下ろす。一連の動きを3~5回行う。
[立ち木のポーズ]地に足をつけて幸運に気づきやすく。
健康の土台である足腰を鍛えながら集中力を養うポーズ。
「しっかり大地に根を張るように軸足に力を入れ、木が枝葉を伸ばすように胸を開きましょう。足元に意識を向けて姿勢のバランスをとることで心の揺らぎが収まり、感覚が研ぎ澄まされてきます。〝今、ここ〟に集中して、体の隅々まで行き渡るように呼吸を深めることで気分のリフレッシュにも」
右足に体重をのせて左足を脚の付け根まで上げ、足裏を右の内腿につける。右足で床を強く踏み、右足の腿と左足の足裏を押し合うように立って両手を斜め上に広げる。このまま3~5呼吸する。反対側も同様に行う。
左足のかかとを右足のくるぶしあたりにつけて両足を押し合い、両手は胸の前で合わせて3~5呼吸する。
[薪割りのポーズ]邪気を払って運を開く。
心のモヤモヤやネガティブな感情を、勢いよく“たたき割って”スッキリ。
「下半身を安定させること、お腹の底から野太いくらいの声を出すことがポイントです。ビックリするくらい気持ちが晴れやかになり、自然に笑みがこぼれることも。ストレス解消にも最適です。腕を振り下ろす動作で全身が温まり、肩や背中のコリを解消する効果もあります」
足を大きめに広げてつま先と膝を外側に向け、安定してキープできる位置まで腰を落とす。息を吸いながら、斧を振り上げるイメージで両腕を上げる。
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お腹の底から「はっ!」と声を出しながら、斧を振り下ろすように両腕を素早く下ろす。一連の動きを3~5回行う。
[門のポーズ]体側を伸ばしていい気を巡らせる。
体側を伸ばし、あばら骨の間にある肋間筋をほぐすことで呼吸がしやすくなり、全身にいい気を巡らすことができる。
「斜め上に伸ばした腕の指先から膝までのラインをきれいに伸ばし、日常の悪姿勢で圧迫されがちな脇腹をストレッチしましょう。伸ばした側の脚に添える手はなるべく体重をかけず、体幹で支えると体が内側から温まります」
膝立ちになり、左脚を横に伸ばす。左手を左脚に添え、息を吸って右手を上に引き上げる。
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息を吐きながら体を左へ倒し、目線は天井へ。体側を気持ちよく伸ばす。そのまま3~5呼吸して、反対側も同様に行う。
[牛の顔のポーズ]姿勢を正せば印象も変わって運気アップ。
背中側に腕をまわすことで胸を開いて肩甲骨の位置を正し、脚を組むことでお尻の外側をストレッチ。ダブルの効果で巻き肩や腰の重だるさを改善する。
「良い姿勢が定着すると自然と自信が湧いて明るい印象になります。脚を組むのが難しい場合は下になっている脚を前に伸ばし、その上に逆側の脚を重ねたり、お尻の下に座布団を敷いて骨盤を高くしてみて」
脚を交差させて膝を上下に重ねて座る。下になった脚と同じ側の腕を上げて肘を曲げ、背面で逆側の手とつなぐ。あごを引き目を閉じて、呼吸を5回ほど行う。脚と腕を替えて反対側も同様に行う。
両手を掴めなければ、タオルの両端を持って引っ張りあってもいい。
[鳩のポーズ]股関節をほぐせば気持ちもほぐれる。
座り仕事でうっ血しがちなお尻や鼠径部、太腿の前側の筋肉をストレッチして股関節まわりをほぐすことで、全身の血流やリンパの流れがアップ。リラックスにもつながる。
「体幹を意識して行うポーズです。骨盤底筋や腹筋に力を入れて、土台を安定させるようにしてください。上半身と下半身をつなぐ腸腰筋もほぐれ、腰痛がやわらぐ効果もあります」
右膝を曲げて座り、左脚を後ろに伸ばす。左膝を曲げてつま先を左手で持ち、右手を斜め上に上げて親指と人差し指で丸を作る。目線を上げて3~5呼吸行う。反対側も同様に行う。
[壁ヨガ]頭に上がった気を下げてリラックス。
仕事や家事に忙しい日中は頭に気が上りがち。横になって足を上げることで、重力により血流がお腹に集中する。
「足を上げるとむくみが解消され、お腹がぽかぽかしてきてとても気持ちがいいですよ。また、股関節を広げて骨盤回りをゆるめることで副交感神経が優位に。夜、お風呂に入った後などにやってみてください。スムーズに眠りにつきやすくなり、疲労回復にも」
壁の前で横になり、両足を上げて壁につける。つま先を手前に起こし、お尻は壁から少し離す。両手を組んで頭をのせ、5呼吸する。
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両手をほどいて肘を曲げて上に伸ばし、両足の裏をつけるように股関節を広げる。このまま5呼吸する。
[覚えておきたい呼吸法!]4‐7‐8呼吸 心を穏やかに整え、 眠りの質を高める。
鼻から4カウントで息を吸い、7カウント止める。口から8カウントで息を吐き切る。これを4呼吸行う。
衣装協力・ランゴリー/東京ヨガウェア https://www.tokyo-yogawear.jp/
『クロワッサン』1108号より