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食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

冷蔵庫はきれいに無駄なく使うことで食材のロスが減り、電気代の節約に。
そのためのちょっとしたひと手間を、今日から積み重ねて。

撮影・青木和義 イラストレーション・イオクサツキ 構成&文・中條裕子

(冷蔵室)(野菜室)(冷凍室)実は、買い物時から節約はすでに始まっている!

食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

旬のものは安くておいしい。でも多めに買って食べ切れるかな……。そんなときは、週の予定を思い浮かべながらまずは下処理をして、冷蔵や冷凍にしておくとあとが楽、と吉田瑞子さん。

「意外と量もある青菜は、新鮮なうちに茹でて小分け冷凍しておくほうが、萎れたものよりおいしい。萎れると『ま、いいか』となりがち。それで捨ててしまうのが何よりもったいない。生だと早く食べなくてはと焦るけど、茹でて冷凍すれば1カ月ほど持ちます」

冷蔵庫の設定温度や開く頻度などによって違ってくるが、生で冷凍した野菜や魚は2〜3週間、肉であれば3〜4週間くらいで食べ切るというのが目安。いずれにせよ、『早く食べなくては』というプレッシャーからは解放される。

「加熱してから調理する野菜などは、まとめて茹でてしまえば光熱費も節約に。茹でる時間は、量が多くても少なくてもそれほど変わらないですから」

また、お財布に優しい食材の代表である鶏むね肉は、吉田さんが冷蔵庫に常備している食材のひとつ。

「鶏むね肉は安いのが魅力ですが、ソテーだとぱさつきやすい。塩、胡椒し、お酒をふってネギや生姜と耐熱皿にのせ、電子レンジにかけて蒸し鶏に。冷蔵しておくと、ハムやベーコンの代わりになります。すぐ食べ切れない場合は小分けにして、冷凍しても」

いつ食べるかによって、冷蔵または冷凍に。

右・金属トレーに入れると急速冷凍できる。中・青菜は茹でて小分けに。フリーザーバッグに入れたらストローで空気を抜き、なるべく真空に近づけて冷凍する。左・蒸した鶏むね肉はさいて冷蔵。
右・金属トレーに入れると急速冷凍できる。中・青菜は茹でて小分けに。フリーザーバッグに入れたらストローで空気を抜き、なるべく真空に近づけて冷凍する。左・蒸した鶏むね肉はさいて冷蔵。

(冷蔵室)冷蔵室をきれいに保って、廃棄食材ゼロをめざす。

食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

買ってきて食べ切れなかった漬物や作り置きしておいた副菜が、冷蔵庫の奥からひょっこり……そんな経験、誰しもが一度はあるのでは。

「保存用容器は種類を決めたほうがいい。メーカーによって小さなサイズ2個が大きいサイズ1個の上に並べて積めたり、大中小が入れ子になるので、一つのシリーズに揃えると収納しやすい。食材を行方不明にしないためには、とにかく見やすくするのが第一です」

庫内の循環をよくするために冷蔵室にはぎっしり詰めないというのが鉄則だけれど、容器選びも意外と大事。パッと見てわかりやすく整理できれば、あれこれ探して冷蔵庫を長く開けっ放すことも、食べ損なって哀しく干からびたものを発見することも、なくなるはず。

見やすく出しやすくして、埋もれさせない。

らっきょう、梅干しなど、常備するものは容器を同じメーカーで揃えて。食品によってはまとめて立てておくと取り出しやすい。
らっきょう、梅干しなど、常備するものは容器を同じメーカーで揃えて。食品によってはまとめて立てておくと取り出しやすい。

(野菜室)使いかけの食材は無駄なく最後まで残さず活用。

食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

使い切れず半分ラップした玉ねぎを冷蔵庫に突っ込んだままダメにしてしまったーーそんな“もったいない”を解決してくれるのが、専用ボックス。

「使いかけの野菜は、なんとなくバラバラに冷蔵庫に入れてしまいがち。でも専用ボックスを作っておき、最終的にスープにすると無駄がありません」

深型バットなどを野菜室に入れ、余った野菜はまとめておく。あとで、鶏ガラスープの素で中華スープ、和風だしで味噌汁にと、献立次第で和洋中に。

「わざと少しずつ余らせるという手も。にんじんをスープに足したり、サヤインゲンをサラダの彩りにしたり。ただし、放っておくとダメにしてしまうので、曜日を決めて汁物に。ポトフなどのおかずにすれば1回で使い切れます」

「○曜日はスープの日」というように決めて。

余った野菜を角切りにしてブイヨンで煮込むだけで、洋風スープがさっと仕上がる。さまざまな種類の野菜が入ると、味に奥行きも。
余った野菜を角切りにしてブイヨンで煮込むだけで、洋風スープがさっと仕上がる。さまざまな種類の野菜が入ると、味に奥行きも。

(冷凍室)フリーザーバッグはサイズを選んで収納する。

食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

冷蔵室と異なり、冷凍室は隙間なく詰めると効率よく冷やすことができる。そのためには、立てて収納する、適切なサイズのフリーザーバッグを選んで食材を入れる、この2点がポイントに。

「同じメーカーで2サイズくらい揃えておくと、ごちゃごちゃにならない。冷凍室もきれいに収めていると、入れた食材が化石化しないで済みます」

立てて入れておくと、上からちょっと引っ張り出すだけで中に何が入っているかわかるので、使い忘れがない。

「縦のサイズが長いものを折って使うと、厚みも出て場所を取ってしまうので、横長タイプも使い勝手がいいですよ。たとえば、油揚げもジャストサイズ。ロングウィンナーやベーコンなどを入れるのにも便利」

何に入れて収納するのかも、実は大切。

フリーザーバッグは同じメーカーだと規格が統一されてきっちり収納しやすい。1食分のご飯がムラなく解凍できる専用コンテナも便利。
フリーザーバッグは同じメーカーだと規格が統一されてきっちり収納しやすい。1食分のご飯がムラなく解凍できる専用コンテナも便利。

(冷凍室)整理には購入時のシールを活用して使い忘れなしに。

食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

冷凍室に入れた食材がいつのものか、きちんと把握しておくことは必須。

「日付を書いた付箋やメモを一緒に入れるのもよいけど、肉類などは購入時のパックに貼られていたシールを捨てずに、肉についていた面を洗ってそのまま活用すれば、いちいち書かずに済みます。どんな部位だったかもひと目でわかるので、使わない手はない」

肉類は薄く平らにし、ラップで包んでから冷凍するのもポイント。たとえば、薄切り肉などはフリーザーバッグの上にラップを広げ、その幅に合わせて切るようにすると失敗しない。

「目分量でラップに包んでみたらフリーザーバッグに入らない、というのが一番困る。肉類は、できるだけ薄くすれば、早く凍って早く解凍できます」

部位や分量、日付の入ったシールは捨てずに。

購入時についているシールは、日付も入っていて分量もわかりやすい。ハサミで切り取っても、手でラップごとちぎり取ってもいい。
購入時についているシールは、日付も入っていて分量もわかりやすい。ハサミで切り取っても、手でラップごとちぎり取ってもいい。

(冷凍室)基本は小分け、冷凍した食材はきっちり使い切る。

食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

ちょっと長めのスパンで使い切るための冷凍なので、食材はラップで小分けして冷凍すると無駄にならない。

「たくさんの量をまとめて冷凍してしまうと、後で分けるのは難しい。野菜でも肉でも、小分けしてラップに包んでからフリーザーバッグに入れるようにして。ご飯などの主食も一食分が人によって違う。たとえば、私は茶碗半分くらい。元から小さくしておけば調整しやすく、結果的に無駄になりません」

ご飯を1合ずつ炊くのはかえって大変。まとめて炊いて冷凍すると、冷蔵よりおいしく便利。肉類も茹でたり蒸した小分け冷凍があれば、ちょっと取り出してタンパク質をプラスできる。ひと手間かけておくと、冷凍した食材が無駄なく楽に食事の支度の助けになる。

使うときに調整するほうが無駄がない。

ご飯やパンなど、主食は冷凍して常備。ご飯などは茶碗半分ほどに小分けにしておくと、人により1個、3個と食べる量を調整しやすい。
ご飯やパンなど、主食は冷凍して常備。ご飯などは茶碗半分ほどに小分けにしておくと、人により1個、3個と食べる量を調整しやすい。

(冷凍室)ホームフリージングは、ブロック分けで廃棄防止。

食材のロスを徹底的に排除、お金が貯まる冷蔵庫にする!

食品ロスの一番の原因は使い忘れ。これを防ぐには、ブロックごとに食材を分けて入れ、使う順番を決めておくといった仕組み作りが役に立つ。

「私は、奥にうどんやご飯などの主食、手前に肉、野菜、その他と決めています。立てておけばちょっと引っ張り上げれば何が入っているかわかるので、ざっくり分けるだけで大丈夫。あとは、取り出す側も一方に決めておけば、自然と古いものから消費できます」

パッと見てどの辺りに何が入っているか把握できていれば行方不明にもならず、食品ロスの対策に。フリーザーバッグを立てて入れ、空いたスペースがあったら、保冷剤をまとめたバットやコンテナで調節しながら9割収納をめざし、電気代の節約にもつなげよう。

食材を取り出したら反対側に足していく。

自分の使いやすいよう、ブロック分けしてフリーザーバッグを入れる。空きがあればコンテナなどで調節を。使用の際は常に同じ側から。
自分の使いやすいよう、ブロック分けしてフリーザーバッグを入れる。空きがあればコンテナなどで調節を。使用の際は常に同じ側から。
  • 吉田瑞子

    吉田瑞子 さん (よしだ・みずこ)

    料理研究家、フードコーディネーター

    雑誌を中心に、広告の料理製作、食品メーカーのレシピ開発など、多方面で活躍。『ひとりでできる!ゼッタイかんたんレシピ』シリーズなど著書多数。

『クロワッサン』1095号より

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