「商品の検品作業からタグ付け、発送まで、ほとんど一人でやっています。パソコンが苦手だから、受注書や請求書を発行するのもひと苦労で」
そう話す大橋利枝子さんの顔は、それでも生き生きしている。昨年、衣服ブランド「fruits of life(フルーツオブライフ)」を一人で立ち上げてから1年あまり。「50代の自分自身が着たいと思うものを作った」というラインナップは、着心地のよさと上品な美しさを兼ね備えた、大人の女性のための服だ。30年近いスタイリストのキャリアを経て、「今後はデザイン一本でやっていく」と決意。その背景には何があったのだろうか。
短大卒業後、20歳の時に雑誌『オリーブ』編集部のスタイリストアシスタントになった大橋さん。
「学校みたいな自由な雰囲気だった」環境で、ファッションやカルチャーなど、あらゆるものを吸収していった。
「みんな仲が良くて、すごくフラットな関係でした。人との接し方も含め、私の基盤が作られた時代でしたね」