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冬の味覚を堪能する。きらきら羽越観光圏の旅<1>

  • 文・斎藤理子

羽黒山の宿坊で、精進料理体験を。

羽黒山の麓の門前町「手向(とうげ)」には、出羽三山に参拝する人々を泊める宿坊が立ち並びます。出羽三山に参拝する人々は、手向や羽黒山頂にある斎館の宿坊に宿泊し、心身を浄めます。これを「精進潔斎」といい、そのときにふるまわれるのが「精進料理」です。

手向の宿坊、旅館、茶屋、山小屋などの担い手たちは、出羽三山精進料理を正しく受け継ぎ、その料理と背景にある出羽三山の歴史や文化を世界に発信していくため、5年前に“出羽三山精進料理プロジェクト”を立ち上げました。そこで今回は、プロジェクト代表の土岐彰さんが営む「多聞館」で、出羽三山精進料理を体験してみました。

「出羽三山精進料理の最大の特徴は、使う食材のすべてが山からの恵みを受けたものだということです。キノコや山菜など山から採取したものはもちろん、山から流れ出る水の恩恵で育つ農作物すべてが、出羽三山の恵みを受けています。料理の内容は宿坊によって違いますが、
山からいただいた恵みを身体に取り入れることで精進潔斎するするという考え方は共通です」と、土岐彰さん。

食卓には、代表的な料理である胡麻豆腐をはじめ種類豊富な料理が並び、精進料理のイメージが覆ります。塩蔵した山菜や、保存食の数々など、雪国ならではの生活の知恵もふんだんです。7品も登場する手間のかかった食事は、どれもほっこりと温まる味わいでした。

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