子どもの洋服作りから、こぎん刺し作家に──私がハンドメイド作家になるまで
撮影・小笠原真紀 文・保手濱奈美
病院勤務 → こぎん刺し作家 植木友子さん
私らしく広げる3つの工夫
●「作ってみたい!」に応えるキットの販売。
● こぎん刺しの楽しさを体験できるレッスンを開催。
● Instagram、YouTube、LINEで多角的に発信。
植木友子さんがハンドメイドの楽しさに目覚めたのは、自分の子どもの洋服作りがきっかけ。
「医療関係の仕事に従事していた20代のころ、産休中の空いた時間に型紙付きの雑誌を買って、子ども服を作っていたんです。思いのほか上手にできたことからその魅力にはまり、子どもが幼稚園にあがるころには、園に併設されていたカフェで子ども服を販売するようになりました」
そのころ出合ったのが、こぎん刺し。
「雑誌で見て、初めて知りました。当時、私が作っていた子ども服は、既製の型紙から起こしていたので、仕上がりは誰が作っても同じ。でも、決まった型のないこぎん刺しなら、個性が出せるのではと思ったのです」
クラフトフェアまつもとへの参加が今につながる契機に
民芸が好きだったことも、後押しになったそう。こぎん刺しは、青森県津軽地方伝来の刺し子だが、植木さんが興味を持ち始めた2008年当時は、書籍などの資料が少なかった。そこで青森に行くなどして文化の理解を深め、独学で技術を磨いた。そして、2012年、42歳の時にハンドメイド作家の登竜門ともいわれる「クラフトフェアまつもと」に3度目のエントリーで入選。作家としての道が開けていく。
「フェアには全国のバイヤーさんが来場していて、委託販売の依頼を複数いただきました。この時、こぎん刺しに対する意識が、趣味から仕事へと切り替わったように思います」
植木さんの作品は、伝統的な柄はもとより、全国の名産品をモノグラム調に刺した47都道府県シリーズなど遊び心あるモチーフも人気。現在は、月に3回ほどカルチャーセンターや自宅で体験レッスンを開催しているほか、オンラインショップで図案付きキットの販売も行っている。
「実際に刺すことで、特有の没入感を味わってもらいたい。キットの販売は、教室が近くにない人からの『作ってみたい』の声を受けて。初心者でも作れるように、YouTubeに刺し方をアップしています。また、レッスンの告知はインスタグラムと公式LINEで。使いやすいツールで受け取ってもらえるよう、複数の媒体からの発信も心がけています」
『クロワッサン』1176号より
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