とはいえ、特に子どもが小さいうちは、子育て中にストレスを感じる時が全くなかったわけではない。
「だから、子どもが小さいころでも、時時は妻と2人の時間を確保していました。妻の母に預けて、2人でランチやお茶に出かけたり。たまには夜、バレエや歌舞伎を見に行ったりもしました」
子どもが2人生まれても、父と母としてではなく、夫婦として向き合う時間を持つ。そんな青木さんと桜沢さんは、お互いのことを「パパ」「ママ」とは決して呼ばない。
「今も昔のまま、“エリ”“タケ”って呼び合っていますね」
結婚して18年。ケンカはたまに、子どもに関することでするくらい。会話の量も減っていない。
「彼女は頭が良くて深みのある人だから、自分とは違う切り口の考え方を聞くのが楽しいんです。話題は何でも。政治やカルチャー、お互いに関心のあること。話していて飽きませんね」
最近は、子どもから手が離れ、時間ができるようになったため、時々友人の仕事を手伝うように。久しぶりに外で仕事をする楽しさを実感した。
「今、我が家はちょうど転換期。僕も50歳を目前にして、手に職を付けようと考えてるんです。毎日、妻をマッサージしているうちに身体への関心が湧いてきたので、そういう仕事をしてみたい。東洋医学の本も読んでいるところです。妻も後押ししてくれています」
将来、子どもたちが巣立ったら、妻と泊まりがけの旅行をしたい。自分の趣味の登山にも連れて行きたい。夫婦の形が新たなステージを迎えつつある今、青木さんの頭の中は、やってみたいことでいっぱいだ。