たいていの猫は上から下を見下ろすのが好きで、空間全体が見えると安心するそうだ。そこで、キャットウォークを高い場所に作るのだが、やみくもに高ければいいというわけでもない。猫は毛が抜けやすいので、モップなどの掃除道具が届くことや、具合が悪くて下りてこなくなってしまった場合などでも、容易に助け出せる範囲であることが大切だ。
「さらに猫には回遊性があるので、必ずぐるりと一周できるようにしています。行き止まりがあると、多頭飼いの場合、飛び降りてしまう危険性も。そして、キャットウォークに上り下りできる場所を何カ所か作り、なるべく双方向に進めるようにも設計しています」
長年にわたり、猫の気持ちになって、行動パターンを観察してきた清水さんならではの設計上のこだわりだ。
田辺さんはあらかじめ清水さんに新居の図面を渡し、入居後すぐに工事をしてもらえるよう依頼。清水さんはある程度イメージを固めておき、実際の部屋を見てから最終的にプランを決めた。引っ越し後、リフォーム工事までの数日間は、猫たちをケージの中から浴室へと、少しずつ広い場所に移し、慣らしておいたそう。