長さ4間もある縁側と、天井の高い和室が4部屋。ふすまを開け放つとひと続きになる広々とした空間に、涼しげな緑の風が吹き抜ける。エアコンはなく、夏は窓を開けて風を通し、冬は火鉢やホットカーペット、掘りごたつで暖をとる。
住まいを整える方法も、自然の恵みを邪魔しない、無理のないやり方がしっくりくる。
「食器はマイクロファイバークロスとタワシで洗います。シンクは毎日、寝る前にタワシでこすっています。基本は洗剤なしですが、気になる汚れがあるときだけ、重曹を使います」
床は毎朝、ほうきで掃く。
「自然に返る種類のごみは、縁側から掃き出してしまいます」
さらに必要なときには、畳や床板をぞうきんで水拭き。窓ガラスも洗剤は使わず、霧吹きで水を噴霧してハンディのガラスワイパーをかけるだけ。こまめに掃除をしていれば、汚れがたまらないから、洗剤を使わなくてもきれいに落ちる。日々の作業の積み重ねが、自分を楽にしてくれて、結果として住まいも磨かれる。そんな当たり前のことを、しみじみと気づかされる。