【がん】長寿になったからこそ増えた病。定期検診で早期発見を。
免疫のバランスが崩れて生じる細胞のエラー。加齢とともに発症率が高まる。「猫に多いのは乳腺と腸管にできるがん。乳腺はメスに、腸管はオスとメス両方に見られます」。人間と同じく、早期発見が大切だが猫のがんは見つけにくいため、定期検診をするのがおすすめだ。■チェックポイント 体重が落ちる、食欲がなくなる、乳がんは胸部にしこりができる、胃や腸管のがんは下痢・嘔吐などの症状が出る。
【甲状腺機能亢進症】「バセドウ病」ににた症状。性差を問わず発症。
「がんと同じくバランスが崩れることで生じる甲状腺ホルモンの暴走です」人間の場合は女性に多いが、高齢猫は性差を問わず発症する。新陳代謝が過剰になりエネルギーを大量に消費するため、食欲旺盛になるが、体重が落ちることに。食欲の変化を見逃さないことが大切だ。■チェックポイント 多飲多尿、食べているのに痩せる、嘔吐・下痢、落ち着きがなくなる
【炎症性腸疾患(IBD)】免疫系に異常が生じ、下痢や嘔吐など消化器症状が表れる。
下痢がひどい場合に真っ先に疑われるのがこの病気。「自己免疫疾患の一つであり、リンパ球が増えてしまう病気です。残念ながら原因は不明であり、がんと同様に予防が難しいとされています。腸管が炎症を起こしているため、下痢や嘔吐などの消化器症状が慢性的に生じ、次第に衰弱することになります」■チェックポイント 下痢や嘔吐を繰り返す、とくに下痢が続く場合は要注意
【肥大型心筋症】突然死を引き起こす可能性あり。呼吸が荒くなったら、即病院へ。
心臓の筋肉が肥大して充分な心機能が保てなくなる病気。血栓ができやすくなるため、血管が詰まって突然死を引き起こす場合も。「遺伝的な側面もあるため遺伝子検査をすることで、リスクが高いか把握できる」という。症状の緩和はできるものの、治癒は難しい。■チェックポイント 呼吸が荒くなる、少し動いただけで息切れする、活動性が低下する