「僕は混沌としていますね(笑)」
イラストレーターの先駆者として、1960年代から第一線で活躍する宇野亜喜良さん。その仕事場はカオスの時空と戯れる遊び場だ。
「ゴチャゴチャしているほうが落ち着くんです。時間をあまり特定したくないんでしょうね。2017年の僕というより、曖昧にいろんなものがあることで抽象的な時間にいる気がしますね」
もらったもの、自分で買ったもの、古いもの、新しいもの、様々なものが混在していたほうが面白いと、なんでも壁にピンナップするのが宇野さんのスタイルだ。
「いろんな人がいろんなものをくれるので、せっかくのものを申し訳ないからどんどんピンナップしておくと、なんとなく馴染んできて僕っぽくなっていくんです。昔も今も一緒くたに飾っていると時間軸があやふやになっていいですね。最近もらったものもアンティックになっていくしね(笑)」
キーホルダーも大入り袋もキスリングの絵もただ思いのままに、と言うが、壁面にディスプレイされ、創造的空間が無限に広がっているかのようだ。