遊び盛りの小学生と、保育園に通う息子二人を持つ吉川永里子さんにとって、今住む52平米の賃貸マンションは、決して広くはない空間。でも、共働きの吉川家にとって、家選びの大切な条件は「保育園の通いやすさ」だった。
「この部屋は間取りも理想的でした。2LDKで、6帖、6帖、12帖の四角い部屋が並ぶ単純な間取りは、模様替えをすればフレキシブルに使えます。廊下がなくワンフロアでコンパクトだから、子どもがどこで何をしているのかが見渡せ、むしろ今の我が家にちょうどいいサイズだと思ったんです」
収納スペースが豊富ではなくても、上手に工夫することで無駄なく合理的に暮らせてしまうのが、収納スタイリストの吉川さんの腕の見せ所。今回も、家族の行動をベースに、大人から子どもまで使いやすく、ラクに物を片付けられるシステムを考えた。
「自分が使いやすいだけではなく、夫や子どもも片付けに参加できるよう、共有の物はみんなが出し入れしやすい位置と収納を心がけ、ラベリングもわかりやすくしています」
また、子どものための家にしないことも鉄則。衣食住が充実するレイアウトを考え、ゆとりの空間を確保したのが現在の姿。リビングスペースは、やんちゃな男の子が二人いるとは思えない、大人がくつろげる落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「ソファは、つい最近買ったばかりんです。それまで、部屋が狭くなるし、子どもの遊び場所になってしまうだけだと思い、買い控えていました。でも、下の子もだいぶ成長したし、ちゃんとソファとしての機能が果たせるな、と判断。部屋に圧迫感を与えない、奥行きのないものを選び、今まで以上にくつろげる空間になりました」