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【後編】家は狭くても広く暮らす人、その秘訣は?

広さ52平米、2LDKの家に4人で暮らす吉川さん一家。小さな子どもがいても、くつろぎ空間をしっかり保つ方法を教えてもらった。
  • 撮影・青木和義 文・板倉ミキコ

無駄なスペースを極力無くして暮らしたいと願う吉川さんにとっては、廊下すら必要のない空間だ。

「廊下の意味がわかりません(笑)。家全体を上手に使いこなすためには、暮らし全体を俯瞰して、物も空間も自分がすべてを把握できているかが大切。開かずの間も、使えないスペースも無いのが理想です。目指すべきは、探し物をしない家だと思います」

物を管理しているのは自分。 すべてを把握できるようにする。

そこで、片付けしやすく、狭くても気持ちよさを維持できる暮らしのルールを、部屋ごとに教えてもらった。主婦の仕事場となるキッチンでは、毎日の料理や片付けがスムーズになるよう、よく使う物は手が届く位置に収納するなど〝機能面〟を重視。ストックを持たないようにするため、見える収納にしたり、調理器具を必要最小限にするなど、物の数を減らすことも心がけている。一方、リビングスペースは、くつろげる場所であるかを最優先。

「家電やパソコン周りのコードを1カ所にまとめて隠れるように工夫しているので、見た目がスッキリ。また、家族みんなが使う文房具や、雑多になりやすい書類も、すべて収納しやすい場所を設け、ダイニングテーブルや床に出しっぱなしにしないようにしています」

たとえ狭くても、夫婦それぞれのスペースを作るのも大事、と吉川さん。

「子ども部屋があるのに、夫のためのスペースがないのも変ですよね。我が家では、リビングの一角に置いた小さなデスクと、趣味のけん玉を収納するオープン棚が夫のスペースになっています。主体的に片付けをしてくれるようにもなるので、お互いにとっていいと思います」

寝室は寝るだけと割り切り、ベッド以外の家具は何も置いていない。注目すべきはクローゼットの管理法。

「自分の〝今〟に合った旬なクローゼットを維持するため、持っている服をノートにすべて書き出しています。これで着ないものがないようにすべて把握できます。収納の仕方も、アイテムごとに分類し、時間がないときも一目で出しやすいように。だから、着ていく服がない、なんて心配もありません」

洋服に限らず、家にある物すべてに共通しているのが、所有している物はいつも〝一軍〟であるという考え。

「私は所有物の監督。あまり活躍してくれない〝二軍〟や〝補欠〟に、スペースを無駄に使われるなんてもったいない。限られた空間を上手に使いこなすには、この考えを常に持っていたいですね」

【キッチン】毎日の料理がスムーズになるよう機能性重視。

キッチン作りは「動きやすさ」が課題。作業スペースを確保し、料理や片付けが手際よく進むよう知恵を結集する。「限られたスペースが広く使えるよう、なるべく物を出しません。また、欲しい物が一発で取り出せるような工夫も大切。実は私はあまり料理が得意ではなくて(笑)。好きでいられるキッチン作りを心がけています」

調味料は透明容器に詰め替え、常に残量がわかる仕様に。買いに行くタイミングもわかるので、ストックゼロでも不便がない。
シンクの下の戸棚に食器を収納。4人家族用のスタッキングできる4個セットが基本。 ひとつ割れたら残りも手放す徹底ぶり。
見せない収納にこだわったオーダーメイドのカウンターは、一般的な物より少し高めの設定。間仕切りとしても役立っている。

【リビングエリア】片付けられる仕組みづくりで、美空間を維持。

リビングの役割は、家族みんながくつろげる場所であること。収納はわかりやすく、出し入れしやすい状況にあるか。家族みんながやりやすいように設定。「その場しのぎの解決策は絶対うまくいかないので、ちゃんと使える物か、今後も活躍できる汎用性があるかを考えます」

棚の上は、唯一のディスプレイゾーン。写真 のほか、季節を感じさせる植物や香りのグッズを置いて、生活のちょっとした潤いを演出。書類や本を収納。大人用の物は背表紙をモノ トーンに変えてラベルを貼り、見た目の統一 感も図れるように。
ソファを買う前、椅子を並べて サイズ感を再現するなど、家に置いたときのイメージを想定した。大きな家具は極力入れたく ないので、細心の注意を払う。
子どもも使うゲーム機器のDSは、電源コードも一緒に入る、 シンプルなデザインの箱を用意。きちんと収納する場所を 用意することで、片付けの習慣が身につく。
夫の趣味のけん玉を、ディスプレイ感覚で収納。たとえ棚ひとつでも、夫のプライベートスペースを確保するのが大事。自分なりの収納方法を考案してくれた。

【寝室エリア】クローゼットは、着ていない服がなくなるように。

寝るための部屋なので、寝具以外の物が一切ない寝室。「安全とリラックスを最優先に考えて行き着いた状態。おもちゃ、食べ物、携帯なども基本持ち込まないようにしています」クローゼットは、わかりやすく、使いやすい収納方法に。「持っている洋服はすべて一軍。使わない物はありません」

少し高さがある、すのこベッドを採用。 布団への湿気対策になるだけでなく、 収納スペースを確保。外から見える程 度に、出し入れしやすい範囲で使う。
着ない服をなくすには、所有アイテ ムをすべて書き出すことが大事。色分けした細かい付箋に1つずつ書く。
洋服は100アイテム近く所有。洋服 のハンガーはすべて同じにし、ロス スペースがないように気を使う。1 つ足したら1つ減らす、が鉄則。

『クロワッサン』951号より

●吉川永里子さん 収納スタイリスト/近著に『あなたもつかめる! もう探さない人生』(主婦の友社)。

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