無駄なスペースを極力無くして暮らしたいと願う吉川さんにとっては、廊下すら必要のない空間だ。
「廊下の意味がわかりません(笑)。家全体を上手に使いこなすためには、暮らし全体を俯瞰して、物も空間も自分がすべてを把握できているかが大切。開かずの間も、使えないスペースも無いのが理想です。目指すべきは、探し物をしない家だと思います」
無駄なスペースを極力無くして暮らしたいと願う吉川さんにとっては、廊下すら必要のない空間だ。
「廊下の意味がわかりません(笑)。家全体を上手に使いこなすためには、暮らし全体を俯瞰して、物も空間も自分がすべてを把握できているかが大切。開かずの間も、使えないスペースも無いのが理想です。目指すべきは、探し物をしない家だと思います」
そこで、片付けしやすく、狭くても気持ちよさを維持できる暮らしのルールを、部屋ごとに教えてもらった。主婦の仕事場となるキッチンでは、毎日の料理や片付けがスムーズになるよう、よく使う物は手が届く位置に収納するなど〝機能面〟を重視。ストックを持たないようにするため、見える収納にしたり、調理器具を必要最小限にするなど、物の数を減らすことも心がけている。一方、リビングスペースは、くつろげる場所であるかを最優先。
「家電やパソコン周りのコードを1カ所にまとめて隠れるように工夫しているので、見た目がスッキリ。また、家族みんなが使う文房具や、雑多になりやすい書類も、すべて収納しやすい場所を設け、ダイニングテーブルや床に出しっぱなしにしないようにしています」
たとえ狭くても、夫婦それぞれのスペースを作るのも大事、と吉川さん。
「子ども部屋があるのに、夫のためのスペースがないのも変ですよね。我が家では、リビングの一角に置いた小さなデスクと、趣味のけん玉を収納するオープン棚が夫のスペースになっています。主体的に片付けをしてくれるようにもなるので、お互いにとっていいと思います」
寝室は寝るだけと割り切り、ベッド以外の家具は何も置いていない。注目すべきはクローゼットの管理法。
「自分の〝今〟に合った旬なクローゼットを維持するため、持っている服をノートにすべて書き出しています。これで着ないものがないようにすべて把握できます。収納の仕方も、アイテムごとに分類し、時間がないときも一目で出しやすいように。だから、着ていく服がない、なんて心配もありません」
洋服に限らず、家にある物すべてに共通しているのが、所有している物はいつも〝一軍〟であるという考え。
「私は所有物の監督。あまり活躍してくれない〝二軍〟や〝補欠〟に、スペースを無駄に使われるなんてもったいない。限られた空間を上手に使いこなすには、この考えを常に持っていたいですね」
【キッチン】毎日の料理がスムーズになるよう機能性重視。
キッチン作りは「動きやすさ」が課題。作業スペースを確保し、料理や片付けが手際よく進むよう知恵を結集する。「限られたスペースが広く使えるよう、なるべく物を出しません。また、欲しい物が一発で取り出せるような工夫も大切。実は私はあまり料理が得意ではなくて(笑)。好きでいられるキッチン作りを心がけています」
【リビングエリア】片付けられる仕組みづくりで、美空間を維持。
リビングの役割は、家族みんながくつろげる場所であること。収納はわかりやすく、出し入れしやすい状況にあるか。家族みんながやりやすいように設定。「その場しのぎの解決策は絶対うまくいかないので、ちゃんと使える物か、今後も活躍できる汎用性があるかを考えます」
【寝室エリア】クローゼットは、着ていない服がなくなるように。
寝るための部屋なので、寝具以外の物が一切ない寝室。「安全とリラックスを最優先に考えて行き着いた状態。おもちゃ、食べ物、携帯なども基本持ち込まないようにしています」クローゼットは、わかりやすく、使いやすい収納方法に。「持っている洋服はすべて一軍。使わない物はありません」
『クロワッサン』951号より
●吉川永里子さん 収納スタイリスト/近著に『あなたもつかめる! もう探さない人生』(主婦の友社)。
※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。