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【前編】川津幸子さんに教わる味の決め手と調理のコツ。

基本的な料理だからこそ、きちんと知っておきたい火加減や水加減や塩梅を料理研究家に聞きました。
  • 撮影・黒澤義教 文・斎藤理子

料理上手になるかどうかの分かれ道は、美味しさのポイントになるちょっとしたコツを知っているかどうかだと川津幸子さん。

「たとえばきゅうりの塩もみを作る時には、きゅうりをしっかり絞って水気をなくす。鶏肉を焼く時には肉を絶対に動かさない。そういった、小さなコツです。それをきちんと守れば、料理は格段に美味しくなります」

川津さんは、家庭料理では技術よりも、知識が大事だという。

「長年伝承されてきたコツには、美味しくなるための意味がちゃんとあるんですね。それを知り丁寧に実践することが、家庭料理では大事。やみくもに練習を重ねるより、小さなコツをきちんと学びましょう」

市販品で何でも揃ってしまう時代だけど、本当は何でも自分の手でもっと美味しく作れるということを知っておいてほしいと川津さん。そこで、毎日の食卓やお弁当によく登場する料理のコツを、教えてもらった。

【ハンバーグ】粘り気が出るまでしっかりと練り、焼き目をつけてオーブンへ。

材料(2人分)牛ひき肉200g、玉ねぎ½個、パン粉¼カップ、牛乳大さじ1½、溶き卵½個分、塩小さじ⅓、胡椒・ナツメグ各少々、バター大さじ½、サラダ油適量、ソース[ケチャップ・ウスターソース各適量]、好みのつけ合わせの野菜(今回はほうれん草のバターソテーとかぼちゃのグラッセ)

1.玉ねぎはみじん切りにし、バターで8分ほど炒めたら冷ましておく。
2.パン粉に牛乳を加えてふやかしておく。ボウルに牛ひき肉を入れ、塩、胡椒を加える。
3.塩、胡椒が牛ひき肉に馴染むよう、よく混ぜる。
4.1の玉ねぎと2のパン粉、 溶き卵、ナツメグを加える。
5.ひき肉の粒がなくなり粘りが出るまで、手でぐるぐるとまわしながらしっかりと練る。
6.タネを2等分し、両手でキャッチボールをしながら、空気を抜く。
7.バットをひっくり返して薄く油(分量外)を塗り、成形し たハンバーグを置く。
8.フライパンにサラダ油を熱 して、7の両面を焼き色がつくように香ばしく焼く。
9.220℃に温めておいたオーブンにフライパンごと入れて、 10 〜 12 分焼く
10.直接オーブンに入れられるフライパンがないときは、温めた天板に並べて焼く。
ほうれん草ソテー、かぼちゃのグラッセを添え、ソースをかけて完成。

【チキンソテー】焼いている間は、肉を動かさないで!

材料(2人分) 鶏もも肉(小)2枚、塩・胡椒各適量、サラダ油大さじ1、リーフサラダ適量、レモン(くし形切り)各⅛個

鶏肉は室温に戻して2つに切り、余分な脂や皮を取り除き、厚いところは開いて、1枚につき塩小さじ¼弱と胡椒をふる。

1.フライパンを強火で熱し、サラダ油を入れてさらに熱する。
2.鶏肉の皮目を下にして入れて焼く。焼いている時に絶対に動かさないこと。
3.香ばしい焼き色がついたら裏返して、油をかけながら反対側も焼き、火を通す。
皿に盛り、リーフサラダとレモンを添えて完成。

【ゆで卵】きれいにむくために、ひと手間をかけて

1.卵は室温に戻す。カーブの緩やかな殻のほうに針などで穴をあけて鍋に入れる。
2.たっぷりの水を入れ火にかけ、湯が50 ℃くらいになったら転がしながらゆでる。
3.好みの加減の分数ゆでたらすぐ、氷水に入れて冷やす。
4.完全に冷めたら、水の中で殻をむく。
沸騰後3分で、とろり(右)。 5分で半熟(中央)。 10 分で固 ゆでのゆで卵に(左)。

『クロワッサン』946号より

●川津幸子さん 料理研究家/作る人の視点に立った、簡単に作れて美味しい料理が人気。『100文字レシピ』シリーズ(マガジンハウスほか)など著書多数。

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