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【後編】辰巳芳子さん「牛すじを食べるのは、上等ないのちのなだめ方」

料理家の辰巳芳子さん直伝、牛すじ肉を使った栄養たっぷりのレシピを2つ教えていただきました。
  • 撮影・小林康浩、岩本慶三、青木和義

「すじ肉は、牛の他の部位と違って、とても強い。ですから、下ごしらえのときに、昆布や椎茸などで調和をとっています。きくらげと合わせたのは、まずは食感の面白さ」

やわらかく煮たすじ肉は、とろとろっと。きくらげは、口の中でこりこり。

「とってもよい。狙いどおり!」

栄養的にも、きくらげは、ビタミンD、ビタミンB、鉄分、カルシウムなどが豊富で、すじ肉のタンパク質の吸収も助けてくれる。

「若い人は、おかずに。味つけは濃くないですから、酒の肴にもどうぞ」

薬味は欠かせない。今日は、葱と七味唐辛子。一味や柚子胡椒でも。

牛すじ肉ときくらげの煮物

材料(作りやすい分量) 牛すじ肉300g すじ肉の煮汁½カップ きくらげ20g 生姜(薄切り)½かけ 酒¼カップ 砂糖大匙4½〜5 醤油大匙4〜 オリーブ油適量

作り方 ❶きくらげは水で戻し、きれいに洗い、ひと口大に切る。すじ肉は大きなものは切っておく。❷鍋にオリーブ油ときくらげを入れて炒める。すじ肉とすじ肉の煮汁、生姜、酒、砂糖を加えて20分ほど煮る。❸ ②に醤油を加え、煮汁が半量になるまで煮詰める。

「あまり具材を増やさず、シンプルな鍋仕立てで食べてゆく。とってもよいものだと思わない? すじ肉に、庄内産の力強い赤葱を合わせてみたのだけれど、これなら、ほかのものはいりません。大根おろしにポン酢で、さわやかにめしあがれ」

低カロリー、コラーゲンはたっぷり。安心して、動物性タンパク質が摂れる。

「筋肉の弱い人、筋肉をつけたい人に食べていただきたい。脂肪はほとんどないので、動物性脂肪を摂りたくない人にも。でも、栄養効果より、何よりおいしいんだから! それよ」

赤葱は冬だけなので、葱なら何でも。春の野菜と合わせてもおいしい。

牛すじ肉と赤葱の鍋

材料(作りやすい分量)牛すじ肉と煮汁は半量 赤葱5〜6本 チキンスープ3カップ〜 塩適量 大根おろし適量 柚子の搾り汁適量 醤油少々 オリーブ油適量

作り方 ❶赤葱は4〜5㎝長さに切る。鍋にオリーブ油と赤葱を入れる。火にかけ、表面に焼き色をつける。❷ ①にチキンスープと塩を加え、赤葱がやわらかくなるまで煮る。❸別鍋に牛すじ肉と煮汁、②の赤葱と煮汁を入れて温める。柚子の搾り汁、醤油をかけ、大根おろしとともに食す。

『クロワッサン』946号より

●辰巳芳子さん 料理家、随筆家/大学では実験心理学を専攻。料理家の母・辰巳浜子の薫陶を受け、45歳より料理家として立つ。フランス料理、イタリア料理、スペイン料理の研鑽を積み、「蒸らし炒め」はじめ独自の手法を確立。父親の介護体験から、いのちを支えるスープに着目。全国に弟子は900人を超える。

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