くらし

岩立マーシャさん「美しく暮らすことをアートから学びました」

  • 撮影・中垣美沙、大澤はつ江

コントラストや組み合わせの意外性、アートとの調和を考えて。

【キッチン】キッチンツールはまとめて収納。迷子にならない。

キッチンに溢れがちな木べらやトングなどはステンレスのツールスタンドにまとめて収納している。木彫のサル、燭台、花と共に並べると生活感が薄れるから不思議。陶器の蓋物は陶芸家の作品だが、中には日常的に使う楊枝が入っている。アートを飾るのではなく、日常的に使う実例がここに。
電子レンジ上の缶。桜皮の茶筒や古い缶の色や絵柄が好きなのでコレクション。ネスプレッソのカプセルや茶葉入れに活用する。

【階段下】額は同一サイズ。 目の高さで一列に飾ると、 圧迫感がなく見やすい。

1階のリビングから階下に下りた所の壁に同じサイズの額を目の高さで飾る。正面にはインパクトのあるジョエル・シャピロの木版を。椅子を配してバランスを取る。照明器具はイタリアで活躍したファッションデザイナー、マリアノ・フォルチュニが1910年代にデザインしたシルク製。

【リビング】シンメトリーの美しさを ディスプレイで表現。

リビングに置いたチェスト。ブロンズの釈迦の手と仏像が朱の漆器を挟む。2つのオブジェの上にジャスパー・ジョーンズの版画があり、視点が動かないので整然と見える。右はヒマラヤの魔除けに使われていたもの。

【トイレ】窓枠を額に見立て、 庭の植物を絵画にした窓。

トイレの窓枠を額に見立てて、庭の植物を自然の絵画に。中国骨董の虫かご、古いラリックのガラス瓶、銀製のモロッコのコール(アイライン)入れ、ギリシャの彫刻などが雑然としているようでバランスよく置かれている。

【ダイニング】思い出のものを壁にコラージュ。

サイズも異なり、額の色もまちまちな作品は友人のイラストレーターや写真家が制作してくれたもの。散歩中の風景スナップや新聞記事を引き伸ばして額に入れたものなど。机や棚の上に思い出の写真を飾るように壁にコラージュ。

【ダイニング】揺らめく光で癒やされ、 食とお酒を美しく演出する。

キャンドルは部屋に欠かせないアイテム。ダイニングテーブルには、キャンドルホルダーをジャワのお盆に。ガラスのカットによって炎の揺らめきが違うので、美しく輝くベストなものを常に探す。

岩立マーシャ(いわたて・まーしゃ)●クリエイティブディレクター。ファッション広告の仕事を経て、新規飲食業態やブランド等の総合プロデュースを手がける。住宅建築などに関する海外著書も多数。

『クロワッサン』994号より

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