春を迎えたファッション特集では、「白」がテーマ。白いシャツはもちろん、白いジャケットに白いプリーツスカート、真珠のネックレスに白いヒール。白にあふれるグラビアページが巻頭を飾っています。
グラビアに続いては、「’78年型”白”の三つの傾向 フランス風の魅惑的な白の演出法」と題する、フランス『ELLE』誌との提携記事。白×青、白×花柄、白×暖色という、インテリアでの「白」の取り入れかたを紹介しています。
白を前面に押し出したファッションを身に着けるのは、なかなか勇気がいるもの。<白を白として着ている人は少ない>と指摘しているように、白シャツなどほかの色や柄のものと組み合わせを考え、無難な色として選んでいるにすぎない人がほとんどでしょう。
そのうえ、白はちょっとした汚れが目立ちやすいのが難点。心にも余裕がなくては身に着けられないから、<ことごとく、白はぜいたくを要求する>というわけです。しかしそれは、逆に白を意識的に取り入れることで、ちょっとした贅沢気分を味わえるということを意味しています。
見出しには<キザに着てこそ、白は生きる>、<白は、いちばん心を映す色だ>などと、ほかにも名言として選びたいぐらいの名コピーがちりばめられています。あえて「白」を推すところに、新しい価値を提案したいという編集部の意気込みが伝わってくる誌面でした。
※肩書きは雑誌掲載時のものです。