くらし

【節約習慣】不要な食材買いやボーナス払いなど、身近な悪習慣から改めよう。

贅沢はしていないのにお金が貯まらないのは、日頃身につけた習慣のせいかも。経済ジャーナリストの荻原博子さんと一緒に、具体的な「悪習慣」を見直します。
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・イオクサツキ 文・寺田和代

(!)スーパーではまず野菜コーナーから見る

惣菜を参考に献立を決め、無駄な食材を省く。

スーパーに行くと多くの人は店内の配置どおり、野菜→魚→肉→加工食品→惣菜の順に回りがち。

「献立を決めずに店に入った時はまず惣菜コーナーからスタートし、いつもとコースを逆にしてください。惣菜を買うためではなく、そこにあるものを見て献立を決め、その材料を加工食品→肉→魚→野菜と回って揃えるのです」

理由は、不要なものの買い込みや買いすぎを防ぐため。というのも、東京ガスの調査によれば主婦の8割が「毎日の献立を考えるのが面倒」と回答。お腹のすいた夕方、忙しい主婦が献立を決めずにスーパーに行くと、あれこれ食材を買いすぎる傾向が指摘されている。

買いすぎ防止にはネットスーパーの利用もおすすめだそう。

(!)大型家電等を ボーナスで買っている。

ボーナスは借金返済に。買うなら値下げを待つ。

冷蔵庫やエアコン、あるいは車など高価なものをボーナスで買う、という生活習慣は見直しが必須。

「ボーナスがあてにならない時代だからです。高度経済成長期以降、右肩上がりだった民間企業のボーナスは2000年前後から停滞し始め、リーマンショック翌年には全体的に下落。大企業はまだしも、中小零細企業は業績の変動によってボーナスが出ないことも」

とくにクレジットカードでのボーナス一括払いには注意が必要。
「支給金額のあてが外れた時に思わぬ負担を抱えることにもなりかねません。ボーナスは借金返済に充てるか、借金がなければ貯蓄に。それでも欲しいものがあれば、型落ちになる時や決算期など、大幅値引きを狙って買ってください」

(!)大病院に いきなり行っている。

地域の診療所なら金銭的にも安心。

大病院信仰はいまだに根強い。

「紹介状もなくいきなり大病院に行くと初診料に5000円以上が上乗せされます。“大病院”の定義は、以前は500床以上でしたが2018年春からは400床に。再診でも加算される例が(救急搬送や一部難病指定の人は対象外)」

医療費を国全体で圧縮するために、2000年の診療報酬改定で「病院は入院治療や専門診療を、診療所は外来診療を」と、医療機関の棲み分けを定めたためだ。

「地域の診療所=かかりつけ医を見つけましょう。良いかかりつけ医は診察に時間をかけたり、親身に相談に乗ってくれるなど多くのメリットがあります。信頼できる医師を見つけることが精神的にも金銭的にも安心につながります」

(!)「あったら便利なもの」を しばしば買う。

なくても困らない。少ないものでシンプルに。

年末の大掃除で、なんで買ってしまったのか……と、ため息が出るものを手にした人もいたのでは。

「多いのは健康機器。『テレビを観ながらウエストを細く』と言われて買ったものの、数回使って放りっぱなしというケースも。客用布団なども、宿泊する客が来なければ押し入れの場所ふさぎになるだけ。あったら便利なものは結局なくても困らないということ。意外に家計を圧迫しているんです」

本当に必要なものかの優先順位がわかっていれば、無駄な買い物をする前に立ち止まれる。

「あれば便利なものは買わない。必要最低限のものでシンプルに暮らすライフスタイルに目を向けて。経済的だし、高齢になれば“楽に暮らす”うえでも大切なことです」

荻原博子(おぎわら・ひろこ)●経済ジャーナリスト。1954年生まれ。家計経済のパイオニアとして、執筆、テレビ、講演など幅広く活躍。庶民目線のわかりやすい解説が人気。著書『払ってはいけない』(新潮社)が8万部を突破。

『クロワッサン』990号より

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