くらし

経済ジャーナリスト、荻原博子さんに聞く家計防衛術。合言葉は“借金返して現金増やす”。

贅沢はしていないのにお金が貯まらないのは、日頃身につけた習慣のせいかも。信じてきたお金の常識、見直してみては?
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・イオクサツキ 文・寺田和代

60歳以上の夫婦無職世帯の家計収支

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)では毎月5万円以上の赤字に! 出典:総務省「家計調査報告2017」

現在の景気が高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超える好景気、と伝えられた昨年末のニュースに現実味を感じられず、どこか他人事のように聞いた人も少なくなかったのでは。

「好景気なのはごく一部の大企業や経営陣だけで、多くの人は景気の良さを実感できないまま。この先は社会保障費の負担が増え、働き方が厳しくなると思われます。今年施行予定の消費税10%への引き上げについては、私は、最新刊『安倍政権は消費税を上げられない』で直前延期になることを予測しています。ただ、実施の有無にかかわらず、一人一人がお金に対する常識や習慣を更新させて、財布のひもを締め直すことは欠かせないと思います」

経済ジャーナリストの荻原博子さんが具体的に勧めるのは、お金についての間違った常識や思い込みに気づき、できるだけ早く改めること。

「ある大学の研究によれば、人間の行動の約40%は習慣によるものだそう。お金の使い方も同じです。悪い習慣を改めて良い習慣を身につけることで、将来にわたってお金に困らない人生へ舵を切りましょう」

デフレの今、貯蓄や投資は不要、合言葉は“借金返して現金増やす”。

まず、私たちが踏まえておくべき基本の“キ”は、今がデフレだということ。

「デフレとはモノの価格が下がり続け、経済活動全体が縮む状態。値段が下がれば消費者は一見うれしいけれど、給料も下がり景気はどんどん落ち込みます。そんな時に真っ先にすべきは貯蓄や投資ではなく、住宅ローンを含めた借金の返済。“借金返して現金増やす”が何より有効な家計防衛術です」

その際に目安にしたいのが、50歳時点で貯蓄と負債がプラス・マイナスゼロになること。

「教育費がなくなり住宅ローンを完済できていれば、50歳で貯蓄ゼロでも大丈夫。たとえば、教育費と住宅ローンに月々20万円かかっていた分を60歳になるまで貯めれば2400万円になります。これに夫の退職金と夫婦の年金があれば老後はOKです」

借金返済と同時に貯蓄できるようになるには無駄を削ること。

「日々のお金の使い方や買い物の癖、さらに、手持ちの金融商品や保険の掛け方などをデフレ時代に合わせて見直すだけで、これまでできなかったお金の余裕が生まれてきます」

右肩上がりが望めない今、お金に対する意識や生活スタイルを大胆に変える覚悟が必要。

荻原博子(おぎわら・ひろこ)●経済ジャーナリスト。1954年生まれ。家計経済のパイオニアとして、執筆、テレビ、講演など幅広く活躍。庶民目線のわかりやすい解説が人気。著書『払ってはいけない』(新潮社)が8万部を突破。

『クロワッサン』990号より

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