【鯛の昆布〆、平目の昆布〆】気負わず、丁寧に。今作りたいのはこんなおせち。
撮影・高杉 純
今回、牧田敬子さんが教えてくれたのは、自宅で実際に作っているおせち。
「特別なものというより、普段でも楽しめる味です。ただ、せっかくのおせちですから、お正月の華やかさは意識します。お重に詰めるときは汁気があるものは小さな器に入れ、仕切りには笹の塩漬けを使ってすっきりと」
少人数でも美味しく食べきれるボリュームであることや、30日と大晦日でさっと作れるのもポイント。
「昔のような保存食ではないので食べ疲れないよう薄味に。野菜が多めのフレッシュな味わいと、お酒に合うメニューが多いのが、我が家の好みです」
【鯛の昆布〆、平目の昆布〆】うっすら色づいた刺身が美しい。
「刺身用のさくを昆布で締めます。一日、二日と味わいが奥深く変化。お酒にも合いますよ」(牧田さん)
昆布の繊細な風味と相性がいいのは、鯛や平目などの白身魚。締めることで控えめなピンクになるのも華やかで、正月にふさわしい。
【材料】
鯛の刺身1さく(約100g)、平目の刺身1さく(約100g)、昆布締め用真昆布適量、日本酒適量
【作り方】
1. 刺身は水気をふく。昆布は刺身よりもふた回りほど大きめに切る。昆布の両面を日本酒をふくませたペーパーで軽くふいて湿らせる。
2. 1の昆布に刺身をのせて日本酒小さじ1を振りかけて包み、ラップフィルムでぴっちりと巻き、一晩冷蔵庫で締める。
3. 適量をそぎ切りにして、わさびとしょうゆでいただく。残りは元のように昆布で包みラップフィルムで巻いて冷蔵庫で保存。翌日はさらに身が締まって食べ頃に。
※材料はすべて作りやすい分量です。
牧田敬子(まきた・いつこ)●料理家。美しく丁寧な料理は読者にも人気。また、食と器の相性にも一家言を持ち、料理撮影では器のスタイリングも手がける。
『クロワッサン』987号より