わたしはひとつひとつをあまり凝視しないように気をつけてそそくさと見て回った。会場に虫好きの子どもたちがわんさかいて、みんなの「好き」パワーがわたしのどんよりした「嫌い」オーラを上回っていたのが救いだった。
さて、ゴキブリの展示室。入り口に「Gの部屋 観覧注意」とあり笑ってしまう。中には洒落者のゴキもいて「おっ」となる。大部分のゴキは森林に住み、落ち葉を食べて森を守っているという。「もしゴキブリがいなかったら、生物多様性にあふれた熱帯の森はなくなってしまう」と解説にある。うん、頭では理解できた。あいつは悪いやつじゃない。