うなぎ絶滅後、行方不明になったうなぎ屋の秘伝の“たれ”争奪戦、漁業規制が厳しくなった世界で密猟を見張るうなぎ型ロボット、第二のうなぎ「山うなぎ」を求めてジャングルをいく水産加工企業の女性社員たち、うなぎの絶滅を防ごうとタイムマシンに乗って土用の丑の広告をやめるよう平賀源内にお願いにいく青年ふたり。
「ロボットやタイムマシンやパラレルワールドはSFによく出てくる手法ですが、どれも一般的に馴染みあるもの。今回は今までと違うことをやろうと敢えてそういうものを選んで書きました。そんな決意の割に、ふたを開けてみると、やっぱりいつもの自分の書くものだなと」
“いつもの自分の核”となるのは、
「エモーショナルであること。情緒については前面に出すというところです」