「叔母・ロズリーヌの古い冷蔵庫の中には野菜がそのままゴロンと入っていて、人参なんかシワシワ。お手製のドレッシングはラップではなくて陶器の皿をのせて蓋代わり。彼女が作る四角いバゲットは、3分くらいこねて型に流し込む簡単なパンなのですが、手抜きみたいなやり方でもおいしいパンができるんですよ」
フランス人はおしゃれと言われているけれど、ロズリーヌの真っ赤なサングラスには、片方のツルにビニールテープがグルグルと巻かれていた。壊れちゃったけれど気に入っているものだからこれでいいということらしい。でもそれはそれでなんだかカッコイイ。
「他人の目を気にするのではなく、常に自分がよしとするか否かなんですね。休日はバスケットにBIOのワインとちょっといいチーズとバゲットだけを入れて近所の森へ行くんです。そこで大した話題ではないけれど延々とおしゃべり」