経験を積んだ後、今度は“自分らしさ”を追求し、素材の味の“仲間”を元に組み立て、何が大切かを自問自答。行き着いた先は、調味料を極力排したシンプルな、旬の味を生かした家庭料理だった。今では砂糖もあまり使用しない。
「砂糖を使うと、醤油にしろ酢にしろ、何か味を重ねないといけなくなって素材の味が生きないので。でもここ数年はシンプルを極めすぎている気もするから、そこから抜け出したいとは思ってます」
この常に新しい局面へと挑戦し続ける姿勢も渡辺さんらしさ。「やるかやらないかで迷ったらまずはやってみる」が、スタンスだ。
「やらない後悔より、やって後悔は何か残るかもしれませんよね。やってよかったって結果はもちろんいいことですけど、やって後悔からも、学びはあると思うので」