毎日落語を楽しめる 寄席について説明します。│柳家三三「きょうも落語日和」
イラストレーション・勝田 文
さあ、いよいよ落語を公演している劇場「寄席(よせ)」にご案内とまいりましょう。もともと寄席は“人々が集まる(寄る)”“場所(席)”という意味でできた言葉のようです。今では建物だけでなく、落語会の公演そのものを指す場合もありますが、ここでは劇場としての寄席のお話をいたします。
寄席の中でも通年ほぼ休みなく興行をおこなっている小屋を「定席(じょうせき)」と申しまして、通常「寄席に行く」といえばこの定席を指します。現在、東京に上野の鈴本演芸場、新宿の末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場の四軒、大阪は天満天神繁昌亭と、五軒の定席が落語を主体にして興行しています。
大阪・繁昌亭のお話はまたあらためて機会を設けるとして、都内四軒の定席をまずはご案内いたします。
「寄席に興味はあるし、行ってみたいけれど、いつやっているか、どこでチケットを買えるかわからないし……」というお声を何度かうかがったことがあります。
・定席は元旦から暮れまで(年末の数日をのぞいて)ほぼ毎日、昼ごろから夜の9時ごろまでやっています。
・チケットは基本的に全て当日売りの自由席です。直接寄席においでになり、切符売場でお求めください。こう言っちゃナンですが、まず座れます。
もちろん例外がありますから電話でのお問合せ、各寄席のホームページでのご確認はされたほうがいいですけどね。とにかく難しく考える必要は一切なし、行ってみたくなったら「きょうが寄席日和」ですよ。
柳家三三(やなぎや・さんざ)●落語家。公演情報等は下記にて。
http://www.yanagiya-sanza.com
『クロワッサン』975号より
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