名人・三遊亭圓朝の作と伝わる名作人情噺です。
貧乏の極みで、しかも年末の切羽詰まった空気感に、娘が身を売ってまで用立ててくれた大金を見ず知らずの者にやるべきか否か…。波瀾に満ちた展開と幸福な結末は、物語を知っている人でも手に汗握って聞いてしまうそうですし、演者も高い技量を求められます。
落語家にとって「伝家の宝刀」ともいえる一席なので、お客さまと「よかったね」と気持ちをひとつにして大団円で締めくくりたいと思うのは私だけではないはずです。
さて、この連載も今回で大団円。皆様に厚くお礼申し上げます。これからも大勢のかたが寄席や落語会で素敵な落語日和を体験できるように祈っています。