男性だけのダンスカンパニー「コンドルズ」を主宰する近藤良平さん。公演時の差し入れとして喜ばれるのは、小さくても数がたくさんあり、全員で食べられるものだと話す。
「スタッフも入れると、40〜50人になりますからね。男性が多いから、どちらかというと、お菓子なんかよりは、食べ応えのあるものが喜ばれます。しかも、公演中は慌ただしいので、気軽につまめるものがいいんです。スイカを丸ごと1個とか、ロールケーキ1本なんかだと、切り分けるのも大変だしね(笑)」
そんな手みやげの条件を満たすのが、「豆狸」のいなり寿司。近藤さんが好きだという定番の「豆狸いなり」は、甘辛い味の油揚げと、しいたけや干瓢が混ぜ込まれた酢飯との相性がばつぐんだ。2〜3口で食べられる小ぶりなサイズも、公演の合間につまむのにちょうどいい。
「油揚げの味つけがおいしいし、食べ応えも充分。これを差し入れにすると、あっという間になくなりますね。個人的にも、地方へ行く時に、品川駅構内にあるお店で買って、新幹線の中で食べることもあります」
いなり寿司は、昔から大好物。コンドルズのメンバーも、近藤さんの“いなり寿司愛”を知っていて、あると必ず楽屋に残しておいてくれるそうだ。
「すごい発明だと思うんですよね。油揚げを袋にして、お行儀の悪い米たちをまとめちゃうっていう(笑)。これ1個で、一度にいろんな栄養をとれるっていうのもいい。子どもの頃から母親が特別な日なんかに作ってくれてね。そうそう、うちの母は今でも公演があると、時々たくさんおいなりさんを作って、差し入れしてくれるんですよ」
近藤さんにとって、おいなりさんはハレの日の食べ物。まさに舞台の差し入れとしてぴったりの一品なのだ。