昭和6年に東京・芝浦で創業。数年後に立石に移り、地元に愛され続けている『マルキパン』。昔ながらの惣菜パンが常時10数種類店頭に並ぶ。
「僕は2代目なんですが、今回の惣菜パンは、いずれも先代が始めたもの。時代に合わせ、多少は味を変えてはいますが、ほぼ昔から変わらない作り方ですね」
と言うのは、社長であり、現役のパン職人でもある荒井憲一さん。惣菜パンの魅力を聞くと、
「単純に、作っていて楽しいんです。定番メニューも時代に合わせて味を少しずつ工夫するのも、新しい具材の組み合わせを考えるのも面白い。うちの場合は、普通の作り方に何かひとつアレンジを加えるんです。例えばハムカツは思い切って厚切り、ポテトサラダのために自家製マヨネーズを作ったり、焼きそばに干しえびを入れたり。それがあるから、この味がいいというお客さんがずっと来てくれる。ですからご家庭で作るときも、何か自分のアイデアでひと手間加えてみるといいですよ」
こちらのドッグパンは、密度のある生地ながら歯切れが良く、あっさりとシンプルな味わいが魅力。
「縦にナイフを入れ、皮1枚分くらいギリギリまでカット。断面に薄くマーガリンを塗ってから具材を挟むと、具材の油分がパン生地に染みすぎないのでおすすめです」