くらし

立石の名店・マルキパンに習う昭和の懐かしパン。ハムカツドッグ、ポテトサラダドッグ、焼きそばドッグ。

ずっと愛されてきたパンの名店に、人気の惣菜パンの作り方を聞きました。ひと口かじればしみじみおいしいあの味を、家庭でもぜひ。
  • 撮影・岩本慶三 文・河野友紀

[マルキパン]下町で愛されて80年、“うちの店らしいひと工夫”が人気の秘訣。

京成立石にある『マルキパン』。
マルキパン社長 荒井憲一さん

昭和6年に東京・芝浦で創業。数年後に立石に移り、地元に愛され続けている『マルキパン』。昔ながらの惣菜パンが常時10数種類店頭に並ぶ。

「僕は2代目なんですが、今回の惣菜パンは、いずれも先代が始めたもの。時代に合わせ、多少は味を変えてはいますが、ほぼ昔から変わらない作り方ですね」
と言うのは、社長であり、現役のパン職人でもある荒井憲一さん。惣菜パンの魅力を聞くと、
「単純に、作っていて楽しいんです。定番メニューも時代に合わせて味を少しずつ工夫するのも、新しい具材の組み合わせを考えるのも面白い。うちの場合は、普通の作り方に何かひとつアレンジを加えるんです。例えばハムカツは思い切って厚切り、ポテトサラダのために自家製マヨネーズを作ったり、焼きそばに干しえびを入れたり。それがあるから、この味がいいというお客さんがずっと来てくれる。ですからご家庭で作るときも、何か自分のアイデアでひと手間加えてみるといいですよ」

こちらのドッグパンは、密度のある生地ながら歯切れが良く、あっさりとシンプルな味わいが魅力。
「縦にナイフを入れ、皮1枚分くらいギリギリまでカット。断面に薄くマーガリンを塗ってから具材を挟むと、具材の油分がパン生地に染みすぎないのでおすすめです」

食パンからデニッシュ、惣菜パンまで、常時150種ほどが並ぶ。

[ハムカツドッグ]縁の赤いチョップドハムの旨みがサクサク自家製パン粉と好相性。

ハムカツドッグ 130円

5mm厚のハムカツは、食べごたえ満点。チョップドハム独特の塩気のある肉の味に、粗いパン粉を使ったサクッとした食感、甘めのトロッとしたソース。ついつい後を引くおいしさです。

1. パン粉は食パンなどを粗めに挽いた自家製。挽いてしばらくおき、充分に乾燥させる。
2. ハムは衣液、パン粉をつけ、180℃の油で約3分揚げる。ハムなので短時間揚げればOK。
《ここがポイント!》3. この厚みが食べごたえのポイント。「チョップドハムは味わいが複雑でいい」と荒井さん。
4. ハムカツの片面にたっぷりソースを塗り、ソースの面を上にしてパンに挟む。
5. ハムカツのソース面の上に、細切りキャベツをひとつかみのせたら出来上がり。
1 2 3
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間