くらし

物の用途と使う場を一致させれば、生活動線が整い、散らからない。

あらゆるものを「使う場所に置く」という発想で、無駄のない動線に沿った収納ができます。まずは毎日の行動を振り返ることから。
  • 撮影・岩本慶三 文・黒澤 彩 イラストレーション・安ケ平正哉
仕切りのない広々としたLDK。畳のスペースでは、家族全員が出がけの支度をしたり、翌日の持ち物を準備したりする。

収納場所を決めたにもかかわらず、物を定位置にしまわず、つい、その辺に「ちょい置き」してしまう。それは片づけ下手というより、収納の仕組みそのものに問題があるのかも?

「自分や家族の行動パターンと物の居場所がマッチしていないと、出し入れがストレスになってしまいます」

こう指摘するのは、ライフオーガナイザーの宇高有香さん。あらゆる収納法を試しては挫折したこともあったが、家を新築する際にコンサルティングを受けて無理のない収納を考え抜いた経験から、自らも資格を取得して現在の仕事に就いた。

玄関から階段を上がり、右奥が畳スペース。左手前がダイニング、奥にキッチンがある。

そんな宇高さん宅の延べ床面積は94㎡。上の図のように半地下に玄関があり、1階がLDK、中2階がワークスペース、2階が寝室というスキップフロア構造になっている(図では省略しているが、2階寝室の奥には洗面所と浴室、子ども部屋がある)。こうした間取りのため、物の場所が生活の流れと一致していないと、階段を何度も上り下りすることになってしまうのだ。
「リビング隣の畳スペースの収納棚を活用することで、生活動線がスムーズになるようにしました。家族全員が出かける直前と帰ってきた直後に通るところなので、上着、よく使うバッグ、ハンカチなどをしまってあります」

[外出・帰宅]出がけと帰ってすぐに必要なものはすべて玄関近くに収納。

《1. 毎日バッグから中身を出して整理》よく使うバッグと一緒に、バッグ・イン・バッグと、レシート類のファイルを置いている。レシートは帰宅後すぐ財布から出す。
《2. 溜まりがちな紙類はすぐに選別》不要な郵便物やプリントは帰ってすぐごみ袋代わりの紙袋に入れておく。小型のシュレッダーもここに収納し、数日ごとに断裁する。
《3. 登園準備をこの場で完了できるよう1セットに》このカゴは長女専用。靴下、ハンカチ、タオル類など保育園に行くときに身につけるもの、持っていくものが入っている。
《4. 収納スペースが決まれば無駄な買い物もなくなる》右・大人用のハンカチ。ここに収まる分しか買わないと決めている。左・クローゼットから移した夫のベルトとネクタイ。
《5. 子どもの成長に合わせて机と引き出しを追加》机横には、長男の文房具などを収めた引き出し。朝、宇高さんが長女の髪を結ってあげるときに使うヘアゴムなどもここに。
《6. 行動習慣に合わせた机で宿題もはかどるように》学校から帰ったら、すぐに宿題をして明日の時間割を準備。平日は、ランドセルを2階ではなくリビングの隅に置いておく。
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