岡山天音さんが語る、ドラマ『さよならノワール』──人に対して、常にリスペクトを忘れない優しい大人になりたい
撮影・小笠原真紀 文・黒瀬朋子
ドラマ『ひらやすみ』のヒロトや『冬のなんかさ、春のなんかね』の小太郎のような飄々とした青年役から、『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の春町、映画『笑いのカイブツ』のツチヤなど、狂気を孕んだ役まで、心に残るキャラクターを数多く演じてきた岡山天音さん。現在、放送中のドラマ『さよならノワール』では、表向きは冷静で紳士的な刑事の鴨居を演じている。
「回を追うごとにいろいろな面が明らかになって、鴨居自身も表と内面が同期できているのかわからない複雑なキャラクター。説明が難しいです(笑)」
警察の「犯罪被害者支援室」に焦点を当て、心のケアを描いた物語。『白い巨塔』などの名作ドラマを書いた井上由美子さんのオリジナル脚本である。
「登場人物もみんな個性が立っていて、それぞれ違う価値観を持ちながら、事件や被害者、被疑者と向き合います。そのバラバラな感じが面白い。個々に傷が癒やされる様子も描かれる群像劇で、体温の感じられる豊かなお話です」
どう寄り添えば相手の助けになるのか。拒絶される場面もあり、人との付き合い方の難しさも考えさせられる。
「僕自身、頼ることは苦手なほうです。でも、つらいことや大変なことを人に話したり聞くことは大事だと思います。頼ることも頼られることも、避けずにちゃんと向き合えたらいいですよね」
15歳の時にドラマ『中学生日記』のオーディションに合格しデビュー。人生の中で俳優人生のほうが長くなった。
「人に対して興味を持ったり、外の世界に好奇心を持つようになったのは、この仕事のおかげなのかもしれません」
自称メモ魔。台本やノートに思いつくことをすぐに書き留める。考え、それを言語化する。内省の積み重ねが役の奥深さを生んでいるのだろう。しかも、岡山さんは相手役やその場で起きたことに「影響されたい」と語る。自分の理解する範囲外の出来事も柔軟に受け止める。変化を歓迎しているのだ。
「言ってみれば、毎日脱皮しているような感覚はあります。昨日と今日でも、(自分は)変化していると思います」
どんな大人でいたいかという質問には「優しくありたいです」とポツリ。
「この仕事は大勢の人に会うので、いろいろな人の感情やエネルギーを浴びるんですよね。余裕をなくしてしまうこともありますが、それを言い訳にせず、人に対して常にリスペクトを持って接していたいです。優しい大人になりたい。そうなるよう頑張ります(笑)」
『クロワッサン』1169号より
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