亡くなった後、資産を寄付する「遺贈寄付」。どんな仕組みなのか。
「相続は、決められたところにお金がいくと思っている方が多いですが、全くそんなことはない。自分が使いたいところに残せます」と語るのは司法書士の三浦美樹さん。
「親族へ残すほか、10万円など少額から社会課題に取り組むNPOや自治体、大学などに寄付できます。死後のお金なので、蓄えへの影響を心配する必要もありません」
三浦さんの祖母は、自治体の図書館へ10万円、遺贈寄付した。
「祖母は、自分が社会のために何かできることを喜んでいました。ひ孫にあたる私の娘も、祖母を誇りに思うと言っています。何代にもわたって思いを残せるのが遺贈寄付であり、人生最後のお金の使い方で、その人らしさを表現することができる選択肢だと思います」
近い将来、個人金融資産の7割を60代以上が保有することになる。年間の相続額は50兆円。一人一人が10万円寄付するだけでも、社会を変える大きな力となる。
「まずは第一歩として、寄付先はたくさんあることを知ってほしい。遺贈寄付するには、遺言書を残すのが確実。専門家と作成すると間違いないでしょう」