くらし

京都では、趣のある商店街を散策する。

京野菜、惣菜、和菓子、道具……。
さまざまな店が軒を連ね、地域に密着した商店街は、京都独自の文化に触れられる場所。
風情漂う昔ながらの雰囲気を味わいながら散策を楽しんで。
  • 撮影・青木和義 文・野村美丘(photopicnic)

|  京都河原町 |京都錦市場商店街

「京の台所」とも称される商店街。400年を超える歴史があり、地元客と観光客で賑わいをみせる。

京野菜 錦 川政(かわまさ)

有名旅館や料亭からの信頼も厚い、新鮮な京野菜と果物の店。

聖護院大根と万願寺とうがらし。厳しいプロの目に応えるクオリティの高さに定評あり。

京野菜から旬の食材まで圧倒的な品揃えと鮮度の高さで知られる老舗青果店。「京かぶら、京人参、菜っ葉など、おすすめを聞いて旬の京野菜を買っています」(「くるみの木」主宰・石村由起子さん)。野菜のおいしい調理法も教えてくれる。

●京都市中京区富小路通錦小路下る大文字町597・1 
TEL.075・221・3773 
営業時間:9時~15時(日曜・祝日〜12時) 水曜休

有次(ありつぐ)

永禄3年に刀鍛冶として創業。職人の手仕事による料理道具。

一点一点職人が作る抜き型。ひょうたんと桜の型は共に1,210円。有次の刻印入り。

包丁や鍋など、職人の手仕事による一生ものにふさわしい料理道具が並ぶ。50種類以上もある抜き型は、細かなエッジまできれいに抜けると評判。「訪れるたびに、抜き型を何個か買い足すようにしています」(石村さん)

●京都市中京区錦小路通御幸町西入る
TEL.075・221・1091 
TEL.10時~17時 水曜休 
包丁の研ぎ直しや銅鍋の錫引きなどの修理も行う(有料)。

麩嘉錦店(ふうか にしきてん)

作り置きできない生ものだからこそ現地で買いたい、京の代表的食材。

丹波大納言小豆のこしあんを青のりの生麩で包んだ「麩まんじゅう」1個240円。粟麩、蓬麩は各260g 734円。

20種類以上の生麩を揃える京都を代表する生麩専門店。生麩の生地で作った鯛焼き麩や麩まんじゅうも人気。「錦市場に行くと蓬麩を必ず買います。風味がよく、鍋や煮物、田楽などいろいろ楽しめます」(石村さん)

丹波大納言小豆のこしあんを青のりの生麩で包んだ「麩まんじゅう」1個240円。粟麩、蓬麩は各260g 734円。

●京都市中京区錦小路堺町角菊屋町534・1
TEL.075・221・4533 
営業時間:10時~17時30分 月曜休 
イートインスペースもあり。

|三条大宮|京都三条会商店街

老舗菓子店からカフェ、雑貨店までバラエティ豊かな店舗が集まり、地域の暮らしに寄り添う商店街。

肉の三条イマムラ

品質自慢の精肉店が作る、絶品揚げ物をテイクアウト。

創業約60年の黒毛和牛専門店。「上質な肉が良心価格。牛肉はもちろん、〝スペシャルポーク〞という豚肉もお気に入り。ミンチカツやコロッケはサクサクで肉の旨味が口いっぱいに広がります」(ライター・泡☆盛子さん)

注文を受けてから目の前で揚げてくれるミンチカツ194円、牛串カツ216円。

●京都市中京区三条通岩上西入る橋西町668 
TEL.075・811・6923 
TEL.10時~18時 水曜休
ローストビーフやとんかつ、ハムカツも人気。

三條若狭屋(さんじょうわかさや)

祇園祭のちまきを模した和菓子など、風情ある京名菓に出合う。

明治26年創業の老舗。「祇園ちご餅」は厄を除き福を招くと伝わる祇園祭の故事にちなんだ銘菓。「ちご餅は素朴で懐かしい味わい。干菓子の木型で作る〝らむね〞は、いろいろな味があり、ちょっとした手土産にも」(泡さん)

甘く炊いた白味噌を求肥で包み、氷餅をまぶした「祇園ちご餅」1包3本入り540円。やわらかく、上品な甘さ。

●京都市中京区三条通堀川西入る橋西町675
TEL.075・841・1381 
営業時間:9時~17時30分 水・日曜休
イートインスペースもあり。

杉市(すぎいち)仕出し店

圧巻のショーケースに収められた家庭的なおばんざい。

文久3年創業の惣菜店。なんといっても目を引くのが、国立京都国際会館の建物をイメージして宮大工が作った店頭の木製ショーケース。だし巻き卵や天ぷらなどのおばんざいを引き立たせる名脇役を担っている。

お出汁たっぷりの「だし巻き」は、名物のひとつ。ハーフ400円。
煮物や和え物、ちらしずしなどが並ぶ。

●京都市中京区三条通大宮東入る三条大宮町276
TEL.075・841・2708 
営業時間:10時~18時30分 水曜休
並ぶ惣菜は日によって変わる。

石村由起子

石村由起子 さん (いしむら・ゆきこ)

「くるみの木」主宰

奈良でカフェと雑貨の店『くるみの木』を営む。自身の暮らしから生まれた快適空間にファン多数。https://www.kuruminoki.co.jp

泡☆盛子

泡☆盛子 さん (あわ・もりこ)

ライター

京都在住32年の間に50kg増量。主に酒食系の記事を執筆。ウェブマガジン「イエノミスタイル」で本の再現レシピ記事を連載中。

『クロワッサン』1089号より

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