ふとスタジオにあるモニターを見て「あれ、フナがいる」と思ったら自分の顔だった。――思わず吹き出してしまいそうなエピソードだが、このとき野沢直子さんは愕然としたという。“老い”を目の当たりにした瞬間だった。
「55歳ごろからかな。見た目だけじゃなくて感性も鈍っているのが否めませんでした。だって、テレビに出ている若い人の見分けがつかないんですよ。そんな自分にがっかりして、コロナ禍もあって相当落ち込んでいました」
アメリカと日本を行き来しながら芸能活動を続け、3人の子どもを育てた野沢さん。いつも底抜けに明るいイメージの野沢さんでも落ち込んでしまうほど、老いていく自分と向き合うことは容易ではない。