くらし

昼下がりの東京駅駅前広場。【編集部こぼれ話】

10月11日発売の『クロワッサン』1079号「東京・新名所!」特集号のこぼれ話をお届けします。

10月に入り急に秋めいてきた東京です。旅行割なるサービスも始まるようですし、お出かけ欲もふつふつと湧き上がってきますね。

そんなタイミングで久しぶりの「東京」特集です。

クロワッサンが信頼を寄せる方々に「私の好きな東京」、「大好きな街の散歩コース」を教えてもらったり、東京土産にすれば必ず喜ばれるスイーツの最新情報、緑と庭園の癒やしスポットなど、東京の今を詰め込んだ一冊となっております。

そして特別綴じ込みとして、使い方はあなた次第「東京メッセージカード」を制作しました。

作画をお願いしたのは、画家の牧野伊三夫さん。

「牧野さんの好きな東京を描いてください」、「つきましては3カ所限定でお願いします」。そんないい加減なお願いにも関わらず、「今年はちょうど上京して40年なんですよ。描きたいところ、たくさんあるなあ。銭湯もいいし、居酒屋も……。うーん、ちょっと考えてみます」。

悩みながらも、少しうれしそうに引き受けてくれました。

そのやりとりから一週間後、牧野さんの姿は東京駅、丸の内駅前広場にありました。

手にはスケッチブックと鉛筆。堂々たる東京駅の駅舎を眼前にしながら、サラサラすらすらと筆が動きます。

その様子を散歩中の高齢の男性がちらりとのぞいていったり、小さな女の子がじっと眺めたり。平日の昼下がり、駅前広場には思い思いに過ごす人たちがいて、静かで平和で、穏やかな時間でした。

創建当時の姿に復元された駅舎を前に。

ニュース映像で見る、多くのサラリーマンが急ぎ足で会社へ向かう光景とはまったく違う表情。私自身も日々の通勤に東京駅を利用するのですが、ゆっくり駅舎を眺めたのは久しぶりでした。

こんなに美しかったんだなあ、かっこいいなあ。遠からず、仕事に走り回った日々とセットで、この駅舎を懐かしく思い出す日が来るのかな。そんなセンチメンタルな気分になりました。

牧野さんが描いてくれた東京は、このほかに銀座の名喫茶に、歴史ある画材店、さらにはあの文豪が訪れたバーも。

牧野さんに教えてもらったエピソードとともに眺めると、絵の向こうに、おしゃれで、活気があって、当時の人々が憧れた「昭和の東京」が立ち上がってくるような気がします。ぜひみなさんも本誌で味わってください。(編集・T)

10月11日発売の『クロワッサン』最新号は「東京・新名所!」

新陳代謝が、休むことなく繰り返される首都・東京。

話題には事欠かないけれど、最先端ばかりが東京じゃない。その楽しみ方は人の数だけ。

より深く濃く味わうために様々な角度から東京・新名所をご案内します。

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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