くらし

大人の節約術、保険を見直すときの2つのポイント。

やっているつもりでも、なかなか自信が持てない「節約」。大人の節約は、やみくもに削るのではなく、一度見直すと効果が続く固定費から。節約アドバイザーの丸山晴美さんと、家計コンサルタントの八ツ井慶子さんに話を聞きました。
  • イラストレーション・小林マキ 構成と文・生島典子

自分が納得して安心感を持てる保険を選ぼう。

いざというときに役に立つ保険かどうか、考えてみよう。

固定費のなかでも仕組みを理解していないと見直ししづらいのが保険。八ツ井さんは、保険を見直すときのポイントは2つと語る。

「(1)必要な保障に、(2)割安に入ること、に尽きます。保険料が安いからとムダな保障を買ってもダメですし、必要な保障だとしても、割高な保険料なら見直す余地があります。保険は将来の万が一の場合に備えるためのものなので、何が正解かは事前にわかりません。完璧を求めず自分が納得して安心感を持てる保険選びを」

保険料を払い過ぎると貯蓄の足を引っ張るから、貯蓄を続けつつ払える範囲の保険料にすることが大事。
保険加入の優先順位は、まずは死亡保障、次に医療保障、最後に余力があればそれ以外の保障と考えると、ムダやダブりが起こりにくい。

「死亡保障は、『いくらあると安心か?』と考えてください。個別相談の場合は、会社員か自営業か、配偶者の収入、持ち家か賃貸か、生活費は毎月いくら必要か、子どもの教育費にいくら必要かなどを考慮して、いろいろなパターンを試算します。
それを判断材料に『このくらいあると安心』という額を検討します。今加入している死亡保障の額で安心できていればOKです。
また、死亡保障を継続した場合と解約した場合、死亡したときに受け取れる額と支払う額がどのくらいの差になるのか、検証してみましょう。この差が安心料と思えれば引き続き加入、高いと思えばやめるという選択になります。
ただし、50代以上が入っている保険の中には、予定利率が高いお宝保険があるので、むやみに解約するのは得策ではありません。そのような場合は、特約をはずして保険料を下げる、この先の保険料を払わず保障を小さくして継続する払い済み保険にするなどの方法もあります」(八ツ井さん)

60代で新規加入すると保険料が高くなり、次第に健康面で入り直しにくくなるため、医療保障は50代が見直しのラストチャンスとなりやすい。今加入しているものをベースに、貯蓄で備えができていれば保障を減らすか解約する、足りないようなら増やす方向で検討を。

八ツ井さんが心配するのは、終身払いの医療保険について。
「寿命が伸び続けている今は、終身払いの保険は、結果的に保険料負担が重くなりえます。60~80歳、60~90歳、60~100歳でいくら払うことになるのか試算したうえで、(1)死ぬまで払い続ける、(2)何歳まで払い続けるのか決める、(3)保険を解約して保険料の分を貯蓄する、の3つから選びましょう」

丸山さんは、保険料の支払いが老後の年金生活を圧迫する可能性を指摘する。

「50代は、老後にもらえるお金の範囲で生きていく仕組みをつくる世代です。年金生活になった途端に生活費を半分にするのは難しいので、保険料もできるだけ抑えておきたいですね」

〈保険は貯蓄とのバランスで考える〉

2つのバランスが大事

◯保険料を払い過ぎると貯蓄が増えない。
◯貯蓄があれば、保障はあまり必要なくなる。

保険だけでも貯蓄だけでもダメ。保険で備えながら貯蓄を続けよう。バランスをとりつつ、上手に活用を。

〈保険の保障の優先順位〉

●1位 死亡保障
その人が亡くなって経済的に困る家族がいる場合に加入する。保障額は、配偶者の収入、持ち家か賃貸か、生活費の額などで変わる。

●2位 医療保障
病気やケガで入院・手術したときのための保障。入院日額5,000円程度、手術給付金が入院日額の5倍、10倍などが目安。

●3位 そのほかの保障(女性疾病、がん、介護など)
死亡保障と医療保障をクリアしたあとに検討したいのが、そのほかの保障。具体的には、がん保険、女性疾病特約、介護保険など。

〈保険の試算条件をそろえたい3つのポイント〉

さまざまな保険商品が登場し、比較することが難しくなっている。
比較するときは、期間・保障内容など条件をそろえて確認を。

丸山晴美

丸山晴美 さん (まるやま・はるみ)

節約アドバイザー

22歳のときに節約に目覚め、2001年に節約アドバイザーとして独立。『シングルママの「お金に困らない」本』(徳間書店)など著書多数。

八ツ井慶子

八ツ井慶子 さん (やつい・けいこ)

家計コンサルタント

メビウストーチ代表取締役。2001年にファイナンシャルプランナーとして活動を始め、’13年に「生活マネー相談室」を設立。個人相談や講演、執筆などを行う。

『クロワッサン』1062号より

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